レッドブルの方が速いマシンを提供できると知りながらフェラーリに移籍するなら、セバスチャン・ベッテルは“愚かだ”。そう意見するのは、レッドブルのモータースポーツ活動で責任者を務めるヘルムート・マルコだ。
オーストリア人のマルコは、同じドイツ語を話す新世界チャンピオンのベッテルと近い関係にあると知られている。ところが23歳のベッテルはこのところ、将来のフェラーリ移籍について考えをめぐらせているという。
マルコはドイツの『Bild(ビルト)』紙に次のように語る。「レースドライバーなら、フェラーリを夢見るのは当然。そして、フェラーリだってセバスチャン(ベッテル)のような素晴らしいドライバーが欲しいのは当たり前だ」
だがマルコは、ベッテルがすぐさま移籍する心配はないという。
「セバスチャンは、ただフェラーリ伝説にひかれて、われわれの元を去るようなことはしない。利口な彼のことだ、チームの移り時を心得ているはず」
「フェラーリに移籍してフェルナンド・アロンソのチームメートになるなんて、彼にとっては愚かな選択さ」
「われわれはチャンピオンチームだ。他より良いパッケージをセバスチャンに提供する限り、いかに神がかりの歴史を持つフェラーリとはいえ、それだけでわれわれの元を去るようなまねはしないよ」