「バーレーンの状況は良くない」F1界のボスが前言撤回

2011年02月19日(土)

2011年のF1開幕戦バーレーンGPの開催に前向きな姿勢を示していたF1最高権威バーニー・エクレストンが、前言を撤回し、バーレーンGPが中止になる可能性があると再び認めた。

反政府デモが行われているバーレーンでは、政府が武力によってデモ鎮圧に乗り出し、デモ隊に死傷者が発生する事態になっている。そんな中エクレストンは18日(金)、「現地にいるわれわれの関係者は、落ち着いていて問題はないと言っている」とコメントし、バーレーンGP開催に前向きな姿勢を示していた。

しかしその後にエクレストンは、バーレーンのホテルに滞在しているFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント/F1運営会社)のカメラマンから誤った情報を伝えられたと語り、次のように加えた。

「先ほどは、そのときに把握していた情報に基づいて発言したが、それは現在起きていることとは一致していなかった」

さらに、レースが中止になることを恐れているかと質問されたエクレストンは、こう答えている。

「私は何も恐れない。状況は変化しており、どう状況が変わるのか正確に把握するため、週末の間じっくりと見守る必要があると考えているだけだ」

「現状では、状況は良くない」

また、F1の合同テストが行われているバルセロナでは、各チームの首脳が2時間にわたってこの問題を話し合い、スポークスマン役のクリスチャン・ホーナー(レッドブル/チーム代表)が次のようなコメントを残した。

「われわれは、バーニー、FOM、FIA(国際自動車連盟/F1統括団体)が正しい判断を下すと全幅の信頼を寄せている。安全であれば、彼らはわれわれを送り出すだろう」

また、イギリスでテレビ司会者などを務めているスティーブン・フライはツイッターで、「バーレーンのデモ参加者が残忍な扱いを受けている中で、バーレーンでのグランプリ開催について語るエクレストンの気が知れない」と書いた。

さらに、現在は多くの国がバーレーンへの渡航を自粛するよう呼びかけており、日本の外務省も「政治改革要求デモの発生に伴う注意喚起」を行っている。

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