2011年のF1で追い抜きを増やすのは、可変リアウイングやKERS(運動エネルギー回生システム)ではなく、今季からF1タイヤサプライヤーになったピレリだ。
このような見解を持つのはフェラーリのフェルナンド・アロンソ。21日(月)まで行われていたバルセロナテストの際、今季のF1にはピレリが大きな影響を与えると語っていた。
スペインの『Diario Sport(ディアリオ・スポルト)』に、「これ以上、追い越しに貢献できるものはほかにないよ。新しいタイヤを履けば、まだ履き替えていないドライバーよりもコンマ6秒速くなるからね」と、アロンソは語っている。
さらに、レッドブルのマーク・ウェバーもアロンソの意見に同調する。しかし、だからといってグランプリがより白熱したものになるかどうかは不明だという。
ウェバーは『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に、「もっと追い抜きが多くなると思う」と語り、次のように加えた。
「戦略が違うと、クルマ同士のスピードの違いも大きくなるね」
「だけど、追い抜きが簡単になって、すぐに差が広がっていくわけだから、どのくらい見ごたえのあるものになるかはわからない」
ピレリのモータースポーツ責任者ポール・ヘンベリーは、ピレリタイヤの耐久性が極端に低いため、レース中に5回タイヤを交換するドライバーも出てくるとの憶測を一蹴した。
ヘンベリーは『EL Pais(エル・パイス)』に、「いや、私は最大で3ストップだと思う。ほとんどのケースでは2ストップだよ」とコメントした。
またヘンベリーは、スペインのテストでは気温が上がらないことでグリップも低下していたことが、激しいタイヤパフォーマンスの低下を招いていたとも語る。
「もっと気温が高く、コースにラバーものっているサーキットに行けば、ハードとソフトのパフォーマンスは著しく改善するだろう」とヘンベリーは加えた。
一方で、2011年のタイトル獲得を目指すアロンソは、ホイール・トゥ・ホイールの白熱したレースはあまり期待できないとも警告している。
アロンソは『EFE通信』に、「僕が経験したことから判断すると、追い越しのチャンスは増えるけど、すべてのコーナーでチャンスがあるわけじゃない」と語り、さらに続けた。
「遅いクルマを追い越すのは簡単になるかもしれないけど、上位4台の間では前と同じ難しさがあるかな」