フォース・インディアが、22日(日)に決勝が行われるスペインGP後に、所属ドライバーであり、中国GP後の暴力事件で刑事告訴されたエイドリアン・スーティルの処遇を検討すると示唆した。
スーティルは、中国GP後に行われたルイス・ハミルトン(マクラーレン)の優勝パーティーの際、ロータス・ルノーGPのオーナー企業であるジェニイ・キャピタルのエリック・ルクスCEOとケンカになり、血まみれになるほどの負傷をルクスに負わせたとされている。
この件について、スーティル側が声明を発表し、「意図せず」にルクスを傷つけたのは事実であるとして、「深く反省している」とのコメントを残した。しかし、ルクス側からは、スーティルを刑事告訴することを決めたとの声明が発表されている。
これを受けて、スーティの所属チームであるフォース・インディアも、「チームは引き続き状況の進展を見守っているが、今週末のスペインGPではドライバーラインアップを維持する」との声明を発表。しかし、フォース・インディアの声明には、スペインGP後のことについては書かれていなかった。
フォース・インディアには、昨年にウィリアムズからF1デビューを果たしたニコ・ヒュルケンベルグがリザーブドライバーとして在籍。今シーズンは金曜フリー走行にフォース・インディアから出走していた。レースドライバーがレースに出場できない事態になった場合、ヒュルケンベルグのレース出場が濃厚になる。
過去に、傷害事件によってシートを失った例としては、1991年に発生したベルトラン・ガショーの事件がある。ガショーはロンドンでタクシードライバーに対する傷害容疑で逮捕され、所属していたジョーダンのシートを失った。このとき、ガショーの代役に抜擢(ばってき)され、F1デビューを果たしたのがミハエル・シューマッハ(現メルセデスGP)だった。