セルジオ・ペレス(ザウバー)が、カナダGPのフリー走行1回目に体調不良を訴えたため、急きょペドロ・デ・ラ・ロサがザウバーからカナダGPに出走することになった。
2週間前のモナコGPで予選中に激しいクラッシュを喫し、脳振とうを起こしていたルーキードライバーのペレス。9日(木)にはF1統括団体FIA(国際自動車連盟)の医師たちにより、今週末のカナダGPへの出走に問題がないとの診断を受けていた。
ところが、ペレスは10日(金)の午前中に行われた1回目のフリー走行で27周を周回し、11番手のタイムを記録していたものの、そのセッション終了後に吐き気を訴えたという。
これを受け、ザウバーは急きょマクラーレンのリザーブドライバーであるデ・ラ・ロサをペレスの代理として指名した。今回のカナダGPでは、デ・ラ・ロサがペレスのカーナンバー17のクルマを予選と決勝でも走らせることになる。
ザウバーには、リザーブドライバーとしてエステバン・グティエレスが在籍しているが、今週末のカナダGPにはチームに帯同していなかったようだ。ザウバーのチーム代表ペーター・ザウバーは、次のようなコメントを残した。
「セルジオは、モナコの病院で検査を受け、その後にはチューリッヒでも検査し、木曜にはFIAの医師から出走許可も得ていたので、こういったことになってわれわれも驚いている。彼が体調不良になるなど、誰も予想していなかった。慎重になりすぎているのかもしれないが、ドライバーの健康に関しては、絶対にリスクを冒すようなことはしない」
今回急きょペレスの代役に指名されたデ・ラ・ロサは、フォーミュラ・ニッポンでも活躍していた日本でもおなじみのベテランドライバー。1999年にアロウズからF1にデビュー以降ジャガーやマクラーレンなどからF1出走の経験を持ち、昨年はザウバーのレギュラードライバーとして、第14戦のイタリアGPまで小林可夢偉とともに戦った。レギュラーシートの獲得がならなかった今季はマクラーレンのテストドライバーを務めている。