今季もタイトル最有力候補になっている現F1王者セバスチャン・ベッテル(レッドブル)。自身と同じくドイツ出身で、F1史上最も成功したドライバーとも言われるミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)のある記録の更新について言及した。
今シーズンの6戦で、ベッテルはすでに5勝を記録。これを受けて『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、ベッテルがシューマッハの持つ、年間最多勝の記録を破るのではないかと考えている。
この記録は、2004年に当時フェラーリに所属していたシューマッハが、年間18戦で13勝を挙げたときに打ち立てられたもの。その時の勝率は実に72%。もし、ベッテルが今年残り13戦中、9勝を挙げることができれば、勝率は73%になり、勝率と勝利数の両面でシューマッハの記録を更新することになる。
果たしてベッテルに記録更新は可能なのか?
ベッテル自身は「不可能なことはなにもない。やればできるよ」と答えている。
現記録保持者であり、ベッテルの友人でもあるシューマッハは、「確かに不可能じゃない。だけど、セバスチャンは数字に惑わされたりしないと思うな。結果だけだよ」と記録更新の可能性もあると認めた。
さらにベッテルは語る。「マイケル(シューマッハの愛称)の記録には、破るのがすごく難しいものもいくつかある。僕はそのことは考えていないよ。どのレースも厳しいし、いろんなことがありすぎる。(記録には)ほど遠いよ」
しかし、2004年にシューマッハのチームメートだったルーベンス・バリチェロ(現ウィリアムズ)は、この偉業達成が可能だと見ているようだ。
「限界なんてないよ。何だって達成できるものだ」
ベッテル同様にドイツ出身であるニック・ハイドフェルド(ロータス・ルノーGP)は、次のように自分の見解を述べた。「当時のフェラーリの圧倒的な強さはちょっと特別だと思う。レッドブルは、少しサーキット頼りなところがある。例えば、このカナダでもそれが見られるかもしれない」
「セバスチャンにはできると思っているけど、特にマクラーレンが厳しい敵になる。過去数年を見ても、シーズン終了時には追い上げているからね」
そのマクラーレンのジェンソン・バトンは、2011年にベッテルが記録更新することは「可能だが、現実にならないことを願う」という。
「僕たちの目的はそれを実現させないことだ」
「レッドブルの予選のペースは半端じゃないけど、レースペースは思ったほど強くない。追い抜きが可能なサーキットだったら、カナダもそうだけど、いいレースができるし、僕たちがレッドブルに勝つかもね」