ベルギーGPでセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が今季7勝目を挙げたことを受け、ベッテルが2年連続でF1チャンピオンになることはほぼ確実だと各国メディアが報じた。
7月にはベッテルに1勝も許さなかったマクラーレンとフェラーリも、ベルギーGPではレッドブルに1-2フィニッシュを許したため、『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は「夏休み後もチャンピオンシップの行方はわからないと考えていた人も、十中八九スパ(ベルギーGP)の結果を見て考え直すだろう」と伝えている。
ドライバーズ選手権首位のベッテルと2位のチームメート、マーク・ウェバーの差はいまや92ポイントに広がった。これはつまり、今シーズンの残りのレースすべてで1位や2位を逃がしたとしても、最終戦ブラジルGPでベッテルはチャンピオンになることができるのだ。
さらに、数字上ではベッテルはシンガポールでチャンピオンを確実なものにできる。シンガポールGPは次戦イタリアGPのわずか2週間後の9月25日に決勝が行われる。各紙の報道は次のとおりだ。
ドイツの日刊紙『Bild(ビルト)』:「ライバルたちは荷物のパッキングを始めてもいいだろう」
スペインのスポーツ日刊紙『Marca(マルカ)』:「ベッテルは(サッカーの)FCバルセロナのようなものだ。別世界の生き物で、誰も打ち負かすことはできない」
イタリアの『Tuttosport(トゥットスポルト)』:「ベッテルの勝利は、このところ本来の力を発揮していなかったチームの強さを証明した」
イタリアの『La Stampa(ラ・スタンパ)』:「ベッテルは素晴らしいが、常にポールポジションを確約してくれるロケットカーがあれば簡単なことだろう」
ベッテルに100ポイント以上の差をつけられているフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)は、2010年以来レッドブルが見せているようなポールポジション奪取率の高さは「F1では珍しい」と話す。
「僕らは戦い続けなくてはならないけれど、来季に向けた準備にも労力を割いている」とアロンソは『El Pais(エル・パイス)』へ語った。
さらにフェラーリのテストドライバーであるマルク・ジェネは、フェラーリの本拠地イタリアのモンツァでアロンソも強さを見せるだろうが、高速サーキットはフェラーリが得意とするところではないと考えている。
「アロンソはモンツァとシンガポールを得意としている。この時期のアジアとイタリアはいつも暖かいしね。でも、レッドブルはスパ(での走り)に自信がなかったはずなのに結果は見事な1-2フィニッシュだ」
マクラーレンのチーム代表マーティン・ウィットマーシュも、フェラーリやマクラーレンのような大きなチームはあきらめることもできないと話す。
「(勝負から)解放されたなどという言葉は、はファンに向けるべきメッセージではない。ファンはそんなものより、力強いバトルを見たがっているんだ」