F1贈収賄疑惑を投資家が口撃

2011年08月31日(水)

F1の興行主FOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)の母体であり、F1の商業権利を持つCVCは、次回の会合で出資者たちから厳しい質問を浴びることになるかもしれない。『Financial Times(フィナンシャル・タイムズ)』紙が報じている。

ある“ヨーロッパの大投資家”は、ゲルハルト・グリブコウスキーの収賄事件にF1の最高権威バーニー・エクレストンが関係しているのではと懸念しており、9月に行われる会合でその点を問いただすつもりがあると明かした。数年前のF1商業権売却について、グリブコウスキーが不正に多額の金銭を受け取ったとして逮捕されており、エクレストンの関与も疑われている。

この会合では投資家たちがCVCの重役に不安をぶつけられるだろうと見る向きもある。

「大口投資家はこの件に注目しているので、次の2点について回答を得たいと思っているはずだ。この状況を把握していたのか、把握していなかったとすれば状況が露見した後に会社としてどのような対応をとったのか、その2点だ」

『Financial Times(フィナンシャル・タイムズ)』紙はまた、投資家たちが最も懸念しているのはCVCのF1担当者ドナルド・マッケンジーによる本件の取り扱いであると伝えている。

「大きな割合を占めている個人株主の団体は、F1の管理状態と交渉過程の透明化要求に時間を割くだろう」と考える関係者もいるようだ。

収賄事件の発覚により、5年前にCVCがバイエルンLB銀行からF1の商業権を獲得した動きの合法性にも疑問の目が向けられている。しかし、バイエルンLB銀行の最高財務責任者シュテファン・ヴィンケルマイアーは、商業権売却の件はすでに監査がされていると主張する。

「今のところ監査で問題は発見されておらず、売却が適切に、銀行の規約にのっとり想定内の価格で行われたと証明できている」

かつて商業権を保有していたコンスタンティン・メディエン(元EM.TV)は、CVCへの売却の際に価格が低く見積もられたとして法的手段に打って出た。

一方でF1の最高権威バーニー・エクレストンは、コンスタンティン・メディエンは法廷外での解決を望んでいるとし、CVCは「かなりの額」と支払ったと『The Independent(インディペンデント)』紙に明かした。

「CVCが適正価格よりも低く買収したなどありえない、むしろその逆だ。ほかの買い手たちの提示価格はずっと低かった。チームと大きな争いに発展する可能性もあったんだ」

この記事をシェアする

【関連記事】

2011年 F1ニュース一覧 rss

2011年F1ドライバー

2011年F1チーム

世界選手権

フォーミュラカー

市販車ベース