今年のF1タイトル争いを独走中のセバスチャン・ベッテル(レッドブル)だが、本人に気を緩める様子は無い。
数字的には、2週間後のシンガポールGPでベッテルが史上最年少での連覇を決めることも可能だ。
ベッテルは、イタリアGPを前にして『DAPD通信』にこう話す。「仮に僕がリタイアを2戦繰り返し、その代わりに誰かが良い戦いを繰り広げたら、事態は変わってしまう。だから僕らはベストを尽くすだけさ」
また、『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』紙には、次のように語っている。「タイトルを手中にしない限り、僕は手ぶらの人だよ。未来に何が起きるかなんて、誰にも分からない」
「スタートで先んじることができれば、多少、心に余裕があるけど安心はできない。最後まで懸命に戦わなきゃね」
ライバルであるマクラーレンも、所属するルイス・ハミルトンとジェンソン・バトンに数字上のチャンスが無くなるまであきらめないと、チーム代表のマーティン・ウィットマーシュは、以下のように『Die Welt(ディー・ヴェルト)』紙にコメントする。
「われわれのチームは勝つために存在する。われわれにとって当たり前のことだよ。DNAに刷り込まれているんだ」
「セバスチャンの開幕スタートダッシュは見事のひとことだった。しかしその一方でレッドブルは、過去6戦中、2戦しか勝っていない。われわれとフェラーリが彼らに追いついたと見るべきだね」
「このような状況で、引き下がるわけにはいかないよ。まだ7戦も残っているのだから、ぜんぶ勝つつもりでいる」
レッドブルの独走は偶然の産物だろうか。ウィットマーシュはこれを否定する。「常に勝つことが容易でないのは、わが身をもって学んだ。フェラーリがミハエル・シューマッハ(現メルセデスGP)といかに成功を収め、その後どうなったか見てごらん」