フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が、わがままなエースドライバーという悪いイメージを作ったとして、イギリスのメディアを非難している。
『O Estado de S.Paulo(オ・ エスタード ・ジ・サンパウロ)』の記者リビオ・オリッキオが、チームメートであるフェリペ・マッサとの不仲説やチーム内で特別扱いされているといううわさの真相をアロンソ本人に尋ねた。
「それは2007年にイギリスメディアが作って広めたイメージが原因だろう」とアロンソは答えている。
その2007年、ルノーF1からマクラーレンに移籍したアロンソだったが、チーム首脳と対立。この年、マクラーレンは幼いころから育成してきたルイス・ハミルトンをデビューさせており、アロンソはチーム首脳がハミルトンを優遇していると不満を漏らしていた。しかし、マクラーレンはイギリスチームであり、ハミルトンはイギリス人。当然イギリスのメディアは、マクラーレンやハミルトンに肩入れしたような報道が中心になっていた。
「もうF1の世界に入って11年だ。そのうちの10年間は文句のつけようのないプロフェッショナルとしてやってきたよ。エンジニアもチームメートたちもこのことに対して異論はないはず」
「でも2007年のマクラーレン時代、実際は悪くもなかった人間関係を毎週イギリスメディアに報道された。おかげで僕のイメージがすっかり変に固定されてしまったよ」
「僕は今までどおりの人間さ。僕に対する評価も下がることはなかった。レースシートを再び探していた時、僕が受けたオファーは2007年以降もこれまでと変わらず素晴らしいものだったよ」とアロンソはイギリスメディアの報道内容に苦言を呈した。
現在30歳のアロンソにつきまとっているイメージは、もうひとつある。それはアロンソとサンタンデールの関係により、フェラーリ内で優遇されているのではないかというものだ。アロンソの母国スペインの銀行であるサンタンデールは、フェラーリのメインスポンサーを務めている。
そのことについても質問されたアロンソは、笑いながら次のように答えた。
「メディアも含め、みんな言いたいことを言えばいい。特にインターネットメディアだ。それもスポーツの一部分さ」
今年最後のヨーロッパでのレースを終えたF1。次回は9月25日に決勝が行われるシンガポールGPだ。シンガポールはアロンソが2008年と2010年に優勝を飾った場所でもある。しかし、2008年の優勝を実現するためにチームメートだったネルソン・ピケJr.へ故意にクラッシュするよう指示が出たことがその後明らかになった、いわゆる「クラッシュゲート」が起きたレースでもあった。
だがアロンソにとって、シンガポールGPでの優勝は今までの優勝経験の中でも最もうれしいものだったようだ。
「このサーキットは僕のドライビングに合うんだ。ほかの人からすればおかしな話かもしれないけど、2008年の優勝も去年の優勝と同じくらい特別なものだったんだよ」