セバスチャン・ベッテル、ミハエル・シューマッハを越えられるのか?

2011年10月13日(木)

セバスチャン・ベッテル(レッドブル)はミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)が成し遂げた7冠という史上最多チャンピオン記録をおびやかすのか。3人の元F1ドライバーが意見を述べた。

24歳と98日でF1連覇を果たし、史上最年少連覇の記録を更新したベッテルだが、元3冠王者ニキ・ラウダは、ベッテルと同郷のシューマッハが打ち立てた大記録をベッテルが塗り替える可能性もあると考えている。

その一方で、強さを見せ始めたころのシューマッハと選手権を争い、1996年のF1チャンピオンになったデーモン・ヒルは、シューマッハが持つ7冠の記録は今後も破られることはないだろう、とBBCの取材に語った。

「シューマッハが勝ちすぎたから、ルールが変わったんだ。あのころよりも今のほうが競争は激しいよ」

ベッテルがどれほどの力を秘めているか、その結論はまだ出ていないと話すヒルは、次のように続けた。

「ベッテルにどれだけの根性があるか試されるような機会を見たいと思うだろう。もう少しほかのチームやライバルからのプレッシャーがある状況に置かれたベッテルを見たいだろう?」

ラウダ同様にベッテルの可能性を高く評価するのは、シューマッハやセバスチャン・ベッテルと同じくドイツ出身の元F1ドライバー、ハンス・ヨアヒム・シュトックだ。「ベッテルにはアイルトン・セナやアラン・プロストのような知性を感じる。虚勢を張ることはあっても、ハミルトン(ルイス・ハミルトン/マクラーレン)のように無謀ではない。そして、ベッテルはシューマッハのようにきめ細やかな注意深さがある」

ベッテルをほめたたえる発言をしたシュトックも、ドイツ語メディアの『Spox(スポックス)』には、シューマッハが7冠を達成した当時と現在のルールが違っていることを指摘する。

「この先15年は8冠を達成するワールドチャンピオンは現れないと考えている。シューマッハの黄金時代と比べて、今はルールがだいぶ変わっているからね」

「(シューマッハが強かった時代は)クルマの開発に関して、チームの自由にできる部分が多かったんだ」

レッドブルで現役F1ドライバーとしてのキャリアを終え、引退後はレッドブルのアドバイザーとなっているデビッド・クルサードも、『Telegraph(テレグラフ)』紙に寄せたコラムの中で同様の意見をつづっている。

「2000年代前半に誰もがフェラーリに降参していたようなことは、レッドブルには起こらないと思う。あの時と今では条件があまりにも異なっている」

「今はシーズン中のテストが禁止されているうえに、タイヤを供給するメーカーは1社だ。もしレッドブルがライバルチームよりも多く資金を使おうと思っても、それは許されない」

「それに、気づいていない人もいるかもしれないが、前回のレース(日本GP)で勝ったのはマクラーレンだ」

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