2011年のF1開幕戦に予定されていたバーレーンGPが開催されなかったことで、シーズン終盤にヨーロッパ外での3週連続開催という前代未聞の日程になる可能性が出てきた。
バーレーンは、国内の政情不安のため、バーレーンGPを中止した。バーレーンGPが年内に開催される可能性はあるが、今後数カ月はバーレーンの治安状況がまったく読めないこと、シーズン半ばでは天候が厳しすぎること、開催の再調整を行うには時間が必要であることなどから、バーレーンGPの新たな実現可能な日程は、シーズン終了付近になると見られている。
シーズン終盤にはアブダビGPが予定されていることから、隣国のアブダビとセットでバーレーンGPを開催することが最も論理的だと思われる。
しかし、2011年は史上最多となる20戦の日程が組まれていた。そのため、11月13日(日)に予定されているアブダビと2週間連続でバーレーンGPを開催した場合、その2週間前となる10月30日(日)のインドGPから3週連続のレース開催となってしまう。
また、このころには11月27日(日)に最終戦を行うブラジルのサッカーシーズン開幕が迫っているため、3週連続開催を避けるためにブラジルGPの日程を遅らせることも不可能だと言われている。
しかし、アラブ首長国連邦のモーターレース連盟会長であり、F1統括団体のFIA(国際自動車連盟)の副会長でもあるモハメド・ビン・スライエムは、3週連続開催のアイデアを完全には否定していない。
スライエムは『The National(ナショナル)』に対し、「われわれは(FIAの)判断を尊重している。カレンダーの中で時間を見つけることは実現可能だ」とコメントしている。
『Telegraph(テレグラフ)』によると、バーレーンGPの日程を再調整することにF1側も前向きになっているようだ。
『Gulf Air(ガルフ・エアー)』は、バーレーンGPのタイトルスポンサー契約で600万ドル(約5億円)を支払っているとみられる。しかし、バーレーンGPが年内に開催されない限り、レースの開催権料4,000万ドル(約33億円)を請求することはないとF1最高責任者のバーニー・エクレストンは明かしている。
さらにチーム側も、スポンサーとの契約上、レースをしないとなると契約違反になり、損害が発生する可能性もあるという。
そんな中、チームはバーレーンへ向けて機材を船で送っていた。タイヤサプライヤーのピレリも1,200本のタイヤを送っていたほか、各チームはホテル、飛行機、レンタカー、レンタル機材など用意を進めていた。
トロ・ロッソのチームマネジャーを務めるジャンフランコ・ファントゥッツィは、「われわれはできるだけかかった経費を回復しようと努めている」と認めた。