ブラジルのメディアが最近伝えたところによれば、2012年に予定されている全20レースのうち、最大3レースについてその開催が危ぶまれている。
ブラジルの『O Estado de S.Paulo(オ・エスタード・デ・サンパウロ)』紙によれば、韓国GP、アメリカGP、そしてバーレーンGPの3つのレースについて、3日(木)にジュネーブで開かれるF1委員会で議論が交わされることになるだろうという。
2012年には年間20レースというF1史上最多のレースが予定されているが、F1における最高権威者であるバーニー・エクレストンがジュネーブの会議において、韓国GPの主催者が開催保証金の支払いをためらっていることを報告するものとみられている。
エクレストンは先週、F1を初開催したインドで次のように記者たちへ話していた。
「最初の段階で、彼ら(韓国GP主催者)とは十分すぎる時間を割いて交渉してきた」
「変な話だったよ。(韓国GP開催を)うまくやるために最初の段階で最大の努力を払ってきていたのに残念としか言いようがない」
さらに、ブラジル人記者のリビオ・オリッキオは、2013年にニューヨーク近郊で市街地レースが開催されると報じられてすぐに、これによって2012年にテキサスのオースティンで開催が予定されているアメリカGPに疑問符が付けられるだろうとしていた。
そして最後に、2012年にF1カレンダー復帰を目指しているバーレーンの政治情勢の問題がある。バーレーンGPは本来今年の開幕戦としてスケジュールが組まれていたが、折からの政治不安ために延期とされ、いったん10月に再度スケジュールされたものの、結局今年の開催は見送られたという経緯がある。そして、来年もその状況に変わりはないとする見方が依然として強いようだ。
「4月22日に予定されている第4戦のバーレーンGPが開催できないことはほぼ確実だ」と『O Estado de S.Paulo(オ・エスタード・デ・サンパウロ)』は伝えている。
さらに、F1の各チームにとっては、仮に来年のレース数が20戦以下となったとしてもそれを残念だと思うようなことはないようだ。
マクラーレンのチーム代表であり、F1チームが組織するFOTA(フォーミュラ・ワン・チームズ・アソシエーション)の会長も務めるマーティン・ウィットマーシュは、来年のレース日程にあるいくつかのレースについては疑問符が付けられるだろうと認め、次のように述べている。
「年間20レースあって、そのために多くの移動を伴うのは、チームにとってかなり大変なことだし、今われわれはまさに転換点にきていると思う。つまり、代替要員が必要になるところにまで差し掛かろうとしている。要員を交代させながらレースをしているNASCAR(アメリカの人気レースカテゴリー)みたいにね」