反政府デモの影響で延期されていたものの、日程を変更して年内に開催することが決まったF1バーレーンGP。しかし、実際にレースを開催できるのか疑問視する意見も多いほか、レース当日の抗議活動も予定されているという。
バーレーンGPは当初、今季開幕戦に予定されていたが、バーレーン国内で反政府デモが激化したことから、主催者側はレースの開催を延期させた。そして、その後もバーレーンの国内情勢は不安定なままになっており、今年はF1開催を断念するべきだとの意見が多くなっていた。
しかし、F1の統括団体FIA(国際自動車連盟)は、10月30日に決勝を行うことに決まったと発表。だが、まだ治安が安定しないバーレーンでのレース開催に対し、反対の声が多くあがってきた。
そんな中、バーレーン人権センターのナビル・ラジャブが次のように語っている。
「国民は非常に怒り、すでにレース当日を“憤激の日”と呼び、バーレーンすべての街で政府に対する怒りを示そうとしている」
「われわれは今回のイベントを、バーレーンでの人権侵害を暴露し、この国で何が起こっているのか、世界中へお見せするために利用するつもりだ」
このように、大規模な抗議活動が示唆されていることもあり、各チームがすでに緊急会議の予定を組み、バーレーンGP開催には反対という意見でチーム側の意見はまとまりつつあるようだ。
また、F1ドライバーによって組織され、安全面などに取り組んでいるGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)のルーベンス・バリチェロ(ウィリアムズ)会長も、「GPDAのミーティングでは、全ドライバーが懸念を示したし、渡航に向けた安全の確保を要求していた」とコメントしている。
さらにマーク・ウェバー(レッドブル)は、自身のウェブサイトで「今年バーレーンGPが開催されたら、とても驚くよ」と語り、バーレーンGPが実際に開催されることはないだろうとの意見を示した。