FOTA脱退チームはさらに増える?

2011年12月12日(月)

現在F1に参戦している12チーム中、5チームがFOTA(フォーミュラ1チームズ・アソシエーション)のメンバーからはずれることとなり、F1のルールや商業面を話し合うFOTAの存続が危機に陥っている。

HRTは今年の初めにFOTAを脱退していたが、その際チーム代表のコリン・コレスはFOTAについて「名目だけであり、現実世界に本当に存在しているとは思えない」と語っていた。

そもそもFOTAは、2007年にF1チームとF1最高責任者であるバーニー・エクレストン、および統括団体FIA(国際自動車連盟)のマックス・モズレー前会長との間に政治的な闘争が繰り広げられていたさなかに結成された。そのFOTAの基礎を揺るがせたのは、F1において最大の予算を持つと言われるレッドブルとフェラーリが先日に発表したFOTAからの脱退だった。

レッドブルのドライバー育成責任者のヘルムート・マルコによれば、「FOTAは危機的な時期においてその目的を実行した」ものの、レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは「過去12カ月において、何がFOTAの目的だったのかが全く明確にされていなかった」と現状に対する不満を表していた。

実際のところ、レッドブルがライバルチームから協定違反であると告発されるなど、FOTAメンバーの間では各チームの人員や予算を制限するRRA(リソース・リストリクション・アグリーメント)をめぐる論争が絶えなかった。

フェラーリもFOTAのコスト削減の方向性には不満を抱いていた。フェラーリはFOTA脱退を表明した際、コスト削減の一環であるシーズン中のテスト禁止について、次のように記している。

「(F1は)ほとんどいかなるトレーニングも行うことができない唯一のプロ・スポーツになるべきではない」

そして、フェラーリエンジンを使用しているザウバーもFOTA脱退を表明。ザウバー同様フェラーリエンジンを使用するトロ・ロッソは、これまでのところ、この件についてのコメントを拒否している。

『BBC』が報じるところによれば、FOTAが直近に行った会合へトロ・ロッソが出席することを拒んだようだ。その理由はトロ・ロッソが、兄弟チームであるレッドブルや、エンジンサプライヤーであるフェラーリと密接な関係を有しているためだという。

メルセデスのモータースポーツ責任者であるノルベルト・ハウグは6日(火)、「絶対に不可欠だ」とFOTA存続の必要性を語っていたが、ここ数日の間に行われたFOTAの緊急会議は今後の連盟のありかたに関するものだったとみられている。しかし、今後さらにFOTAを抜けるチームが出てくるかどうかはまだはっきりしていない。

ロータス・ルノーGPの広報担当者は『BBC』に対して、次のように語っている。

「さまざまなことが検討されている。しかし、今のところ、われわれはまだFOTAのメンバーだ」

さらに、フォース・インディアの広報担当者も次のように付け加えていた。

「まだ会議が進行中なので、この段階でコメントするのは時期尚早だ」

この記事をシェアする

【関連記事】

2011年 F1ニュース一覧 rss

2011年F1ドライバー

2011年F1チーム

世界選手権

フォーミュラカー

市販車ベース