開幕前から、急激な性能低下が大きな話題になっていたF1のピレリタイヤ。第2戦マレーシアGPを終え、新たな問題が浮上している。
開幕戦オーストラリアGPでは、気温が低かったことも影響し、タイヤが事前に懸念されていたような大幅な性能低下を見せることはなかった。しかし、第2戦マレーシアGPではタイヤの性能低下は大きくなっていた。さらに、走行ライン以外には「タイヤかす」と呼ばれる摩耗したタイヤから発生した大粒のゴムが大量に落ちている状態だった。
このタイヤかすの問題点ついて、フォース・インディアのポール・ディ・レスタが『Telegraph(テレグラフ)』へこう語った。
「レース終盤になると、追い抜きが難しくなる」
「もう一つ大きな問題は、跳ね上がって手に当たることなんだ。高速コーナーの真ん中でステアリングを切っていると、ゴムの固まりが手にバチバチ当たるんだよ」
「ゴムっていうのは、決して軟らかいものではないから、当たり所が悪いと痛いんだ」
これに対し、ピレリのモータースポーツ責任者ポール・ヘンベリーは、次のようにコメントしている。
「(マレーシアGPの)トップ3からは、そういったコメントを聞いていない。だが、もしそういった問題があるのなら、対処する必要がある」
ヘンベリーはこう語ったものの、マレーシアGPで優勝したセバスチャン・ベッテル(レッドブル)も、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』へタイヤかすの問題を指摘していた。
「突然、バイザーの真ん中に当たってきた(ゴムの)固まりがあったよ。まるで、前を走るクルマから銃で撃たれたみたいだった」と語るベッテルは、観客席とコースの近いサーキットでは、さらなる問題になる可能性もあると加えた。
「シンガポールやモナコで、ファンが飲んでいるお茶の中に突然タイヤの破片が浮かんでいる光景を想像してみなよ」