F1 モナコGPでのDRS(可変リアウイング)許可は「間違っている」とルーベンス・バリチェロ

2011年05月12日(木)

ルーベンス・バリチェロ(ウィリアムズ)が、モナコGPでのDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)使用を禁止しなかったF1統括団体FIA(国際自動車連盟)を非難した。

DRSは、レース中の追い抜き増加を目的に今年から導入されたシステム。走行中にリアウイングの角度を変更することで空気抵抗を減らし、追い抜きをしやすくするものだ。しかし、DRSは通常、直線で使うシステムであるため、曲がりくねった市街地が舞台となり、直線がほとんどないモナコでは、使用する意味はないとの意見がある。

また、モナコのコースは曲がりくねっているだけではなく、道幅が狭く、ガードレールに囲まれていることから、モナコでのDRS使用は危険だとも言われ、29日(日)に決勝が行われるモナコGPでのDRS使用禁止を求める声があった。

だが、F1のレース運営や技術面、安全面などを担当するFIAのチャーリー・ホワイティングは、モナコGPでDRSを禁止する予定はないと各チームへ通達。これに対し、現役F1ドライバーの中で最もキャリアの長いバリチェロは、『Daily Express(デイリー・エクスプレス)』へ次のように語った。

「こんなの間違っているよ」

「上の人間には、モナコでDRSを使ったままトンネルを走ってみてもらいたい。何か悪いことが起こるのをただ待っているような状態だね。そして、実際に何かが起きてから“それじゃあ、来年のモナコでは使わないことにしよう”なんて言うつもりなんだろ」

バリチェロが語るトンネルは、モナコで最も高速になる区間。ここがDRSに最適な区間だと思われているが、走行ラインを外すと非常に滑りやすいという側面もある。実際に、この区間では過去にも何度かクラッシュが発生しており、1994年にはバランスを崩した状態でトンネルを抜けてきたカール・ベンドリンガーが直後のシケインでクラッシュし、一時は生命の危機に陥る重傷を負っていた。

バリチェロは、F1の安全面について取り組むF1ドライバーの組織GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の会長を務めている。

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