レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコによれば、F1には新しい“クラッシュ小僧”が誕生したという。
2010年のベルギーGPにおいてセバスチャン・ベッテル(レッドブル)がジェンソン・バトン(マクラーレン)を巻き込むクラッシュを起こした後で、マクラーレンのチーム代表マーティン・ウィットマーシュはベッテルを指して“クラッシュ小僧”であるとし、次のように語っていた。
「それ(クラッシュ)は、F1で望まれているものではない」
それから1年後、レッドブルのベッテルが2度目のタイトル獲得に向けて順調に進んでいるのに対し、今度はマクラーレンのルイス・ハミルトンの事故が見出しをにぎわせるようになっている。
マルコは先日のベルギーGP開催中に、2度のクラッシュを喫したハミルトンを引き合いに出し、『Auto Bild Motorsport(アウト・ビルト・モートアスポルト)』に次のように述べている。
「“クラッシュ小僧”というのはマクラーレンの報道媒体によってつくられた言葉だったんだ。今では彼らのチームに“クラッシュ小僧”がいるけどね」
マルコと同郷のオーストリア人であり、3度ワールドチャンピオンに輝いた実績を持つニキ・ラウダもこれに同調し、ハミルトンはあわてることのないベッテルに学んだほうがよいとしている。
率直に物を言うことでも知られるラウダは『Sunday Express(サンデー・エクスプレス)』に次のように述べている。
「クラッシュなんてしていたら、チャンピオンシップに勝利することはできない。セバスチャン・ベッテルを見てごらん。彼はなんのミスも犯さないし、クラッシュもしない。それが彼が今年またタイトルを手中におさめようとしている理由だよ」