ルイス・ハミルトン(マクラーレン)が、2週間前にスパ・フランコルシャンで行われたベルギーGPのレース中にクラッシュした際、気を失っていたと思うと事故を振り返った。
ベルギーGPの決勝でハミルトンは、小林可夢偉(ザウバー)と接触してクラッシュ。その様子を収めたハミルトンの車載カメラ映像では、ハミルトンのクルマがコース脇に設置された衝撃吸収用のタイヤバリアへめり込むようにぶつかったことが確認できる。その衝突後の15秒間、ハミルトンは完全に動きを止めていた。
ハミルトンは、スパでクラッシュしたときに自分が気を失っていた可能性を認め、『Daily Star(デイリー・スター)』へこう語っている。
「ウォールにぶつかったときのことをよく覚えていないんだ」
「数秒間、気を失っていた可能性もあるね。よく分からないのだけれど」
“クラッシュ小僧”と不名誉な呼び名もつけられたハミルトンは、2011年が自分にとってキャリア「最悪」の年になるかもしれないとの予見を『BBC』に明かし、さらに『The Guardian(ガーディアン)』紙にも次のように語った。
「僕は自分なりのやり方も見つけてきているし、ミスから学んでここ7戦で遅れた分を取り返す努力をしているよ」
また、ハミルトンはスパで攻めすぎたのではないかとのメディアの指摘をうまく避けようともしていた。
「記事は読んでいないけれど、僕について悪いことが書かれたのは知っているから、今回(イタリアGP)はいいことを書いてもらえるようにしたいなって考えてるよ」
「このところ僕はツイてないから、記事のネタにしやすいんだろうね」
ベルギーGPではハミルトンとの接触が原因でクルマの調子が悪くなった小林可夢偉を筆頭に、ライバルであるドライバーたちは、F1ドライバーは「攻めなければならない」と話しハミルトンをかばう発言をしている。
マーク・ウェバー(レッドブル)も「ハミルトンはそれほど攻撃的じゃないよ。問題ない。ここ数戦厳しい戦いを強いられていただけだよ」と語っているが、ハミルトンのチームメートで同じイギリス人同士でもあるジェンソン・バトンは、ハミルトンのやり方に必ずしも賛成できるわけではないと明かした。
「報道陣を通じて話をするよりも、チームと直接話す方がいいと思うけれど、僕たちのやり方は異なっているよ」
その後に行われたイタリアGPの決勝を、ハミルトンはクラッシュすることなく完走。しかし、ミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)を抜くことに苦戦していた。