F1権利にからむ汚職スキャンダルが今週、再び脚光を浴び始めた。
『The Financial Times(フィナンシャル・タイムズ)』紙によると、長年にわたってF1の最高権威バーニー・エクレストンの代理人を務めていたものの、1ヶ月前にF1から離れたステファン・ミューレンズが、ミュンヘンで開かれたゲルハルト・グリブコウスキーの汚職事件の公判で15日(火)に法廷で証言する予定だった。しかし、ミューレンズは証言を取りやめたという。
この汚職事件では、F1の権利売却に関連してグリブコウスキーが多額の賄賂(わいろ)を受け取ったとされている。
「法廷側の発表によると、ミューレンズは自身の不利益となる情報についての黙秘権を行使したようだ」と報じられた。
エクレストンは先週、証言台に立っていた。
「グリブコウスキー氏は非常に厳しく私を脅してきた。私はこれまで、数多くの脅しを受けてきたが、グリブコウスキー氏ほど巧妙に脅してきた人物はほかにいなかった」
エクレストンは証言台でそう述べたが、ミューレンズの証言はエクレストンの証言と矛盾するものだったのではないかと言われている。
エクレストンは先週の法廷で、ミューレンズとの関係は「数年前に悪化した」と述べていた。
ミューレンズの出廷中止について『Telegraph(テレグラフ)』紙のトム・キャリー記者は「検事の言葉から考えると、ミューレンズの証言はエクレストンの言葉と相反するものだったのだろう」と伝えた。