ミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)が2010年に不調だったのは、「乗り物酔い」のため、シミュレータを使えなかったことが原因だったと報じられている。
シューマッハに近い関係者がオランダのウェブサイト『f1today.nl』へ語ったところによると、2009年にバイクで転倒した際に負傷して以来、シューマッハは乗り物酔いに悩まされることになってしまい、シミュレーターを積極的に活用することができなくなったという。
その一方で、シューマッハのチームメートであるニコ・ロズベルグは、シミュレーターで長時間走り込むことでも知られている。2010年シーズンのロズベルグは、シューマッハよりも70ポイント多く獲得していた。
「ニコはシミュレーターで多くの時間を過ごし、次のグランプリに向けてクルマの準備を進めるんだ」とメルセデスGP関係者は話している。
このシミュレーターを使うか、使わないかという差は、レース前の準備に大きく影響していたようだ。先述の関係者は、各グランプリで1回目のフリー走行が始まるころには、ロズベルグのセットアップ作業は「ほとんど終わっていた」と語る一方、「ミハエルは基本的なセッティングから始めていた」と話し、こう続けた。
「シューマッハがときどきロズベルグに対して不利になっていたのは、これも非常に大きく影響している」
しかし、昨年末にはメルセデスGPのチーム代表ロス・ブラウンが、メルセデスGPの最先端シミュレーターが完成すれば、シューマッハの調子も戻ると語っていた。
だがブラウンによると、現在チーム本拠地で建造中のこのシミュレーターが「完全に稼働するのは2012年以降になる」とのことだ。