2011年を棒に振ったロバート・クビサの心境をマネジャーが明かす

2011年02月10日(木)

ロバート・クビサ(ロータス・ルノーGP)は、2011年に失ったチャンスを徐々に実感している。そう明かすのは、クビサのマネジャー、ダニエーレ・モレッリだ。

快方に向かい始めたクビサは「身体の状態についてしっかりと受け止め、復帰への戦いに身を投じる覚悟ができた」というのが、8日(火)にロータス・ルノーGPが出したコメントだった。

生命の危険を憂慮する報道が収まったとはいえ、クビサは少なくとも今後数週間、入院生活を余儀なくされるのが現実だ。

しかも、6日(日)のラリー競技中に起きた事故で負傷した右腕は、半分切断されたような状態だった。ひとまず、腕の切断は免れたが、将来の運動機能に疑問符が付くばかりか、ほかにも四肢を負傷しているのだ。

モレッリは、8日にクビサを見舞って話をした数少ないうちの1人。この日、医師たちは、クビサの神経がどのような状態か調べるため鎮静剤の投与を抑えていた。

モレッリは『O Estado de S.Paulo(オ・ エスタード・ジ・サンパウロ)』紙上で次のように語っている。「私は事故について彼に話をした。骨折やケガの状態もね。ロバートはショックを受けていたよ。長いこと(F1から)離れるのは理解してくれたが、やはり悩んでいる。事故がなければ、ヘレスで新車を運転していたはずだからね」

バレンシアで行われた2011年シーズン1回目の合同テストでクビサは、全体のトップタイムを記録している。

「完全なロバート用に作られたマシンは、今年のロータス・ルノーGPが初めてなんだ」とモレッリも失望を隠せない。

今年のクビサはタイトルの有力候補となり得ただけに、F1にとっては大きな損失だが、モレッリによると、いま胸に去来するのは安堵(あんど)の気持ちだという。

「事故後12時間は、ロバートが生き延びられるかどうかの瀬戸際だった。病院に収容されたとき、容体は深刻だったんだ。しかし今は、集中治療室(ICU)を出る算段をつけているところだよ」

F1よりよっぽど危険な公道ラリーに現役のフルタイムF1ドライバーが出場するのは賢いかどうか考えどころではあるが、モレッリは次のよう言う。

「ロバートはラリーを愛している。過去12戦に出場したが何の問題もなかった。考えてもみなかったが、これが13戦目だったからかな」

キリスト教圏では、13は不吉な数字とされており、F1でもカーナンバー13は存在しない。

今季、クビサの契約金は600万ユーロ(約6億7,800万円)と報じられているが、モレッリによると、クビサはまったく気にしていないという。

「どのドライバーも保険は掛けている。しかしこの際、そんなことはどうでもいいんだ。これから私たちに何が待ち受けるか、それは全員が自覚している。ロバートを再びコックピットに座らせる、それが私たちの仕事だ」

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