2011年の開幕戦を飾るバーレーンGPに暗雲が立ち込めている。
バーレーンの反政府デモが警察当局と激しく衝突しており、来月開催されるバーレーンGPも、あるグループのターゲットにされている。F1最高責任者のバーニー・エクレストンも「危険」であることを認めていた。
バーレーンGPが開催されるサヒール・サーキットでは、再来週にシーズン前のテストが行われる予定だが、F1にとって最大の脅威とはレースがキャンセルされることだ。
F1の統括団体FIA(国際自動車連盟)のスポークスマンは『AP通信』に、「われわれは現実を受け入れなければならない」と語り、次のように続けた。
「しかし、FIAもバーレーン自動車連盟も、状況は和やかに解決されるものと自信を持っている」
一方、今週末にはGP2アジアがバーレーンで開催されるが、スポークスマンは状況をきっちり把握していると主張した。サヒール・サーキットは、安全が第一だと語っている。
チーフエグゼクティブを務めるサルマーン・ビン・ハマド・アール・ハリーファは声明の中で、「われわれは関係者とともにしっかりと状況を監視しており、どのような事態にも適切に対応する」と発表している。
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、来月の開幕戦に脅威があることを認めながらも、これまでに、バーレーンから緊急の知らせが入っていないことを伝えた。ホーナーはGP2チーム、アーデンのオーナーでもあるが、次のように『Reuters(ロイター)通信』へ述べている。
「私は昨日、チームと話したよ。彼らは何も心配していなかったし、レースが予定通り行われることを願う」
また、GP2のスポークスパーソンは『Guardian(ガーディアン)』に、「現地に入っているチームは何もショッキングなことを報告していない。何の懸念もなく、GP2は今週末開催される」と述べている。
さらにエクレストンは『Times(タイムズ)』に、F1に関する決断は「速やかに」行われなければならないとコメントし、次のように加えた。
「バーレーンがグランプリを開催するために、非常に一生懸命働いているからとても残念なことだが、われわれは何が起こっているのかを知る必要がある」
「ゴーサインを出せるほど安全かどうか分かったらすぐに、チームに知らせることができるよう、われわれは毎日チェックしている」
また、エクレストンはグランプリ開催のキャンセルが現実的にありうることも認めた。
「中東は大きく成長を遂げている地域で、われわれとしては開催したいが、安全も望んでいるし、F1が最高に輝いている中で観戦されることを確実にしたいと願っている」
「過去にバーレーンでは一度も問題がなかった。私は町を歩き回ることを楽しんだよ。しかし今はわからない。世界は変化しているんだ」
FIAのスポークスマンも『Guardian(ガーディアン)』に、次のようにコメントしている。「グランプリが開催される計画はあるが、一番の懸念はチームと観客の安全にある」