ドライバー側からの要望により、可変リアウイングのルールが変更される可能性があるようだ。
F1ドライバーは、安全面に取り組む団体としてGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)を組織しており、現在はルーベンス・バリチェロ(ウィリアムズ)がGPDA会長を務めている。しかし、前会長のニック・ハイドフェルド(ロータス・ルノーGP)が今週、ドライバーには大きな発言力がないことを懸念していた。
KERS(運動エネルギー回生システム)や可変リアウイングによって、ドライバーが操作するスイッチ類が増えること、そしてピレリタイヤのパフォーマンス低下などにより、安全面の問題が起こることを懸念する意見がある。
『Autosport(オートスポーツ)』によると、KERSと可変リアウイングが組み合わさることで大きな速度差が生じ、昨年のヨーロッパGPでマーク・ウェバー(レッドブル)とヘイキ・コバライネン(チーム・ロータス)が起こしたような追突事故が起こる可能性もあると考える関係者もいるようだ。
ウェバーとコバライネンのクラッシュでは、ウェバーがコバライネンのクルマに乗り上げる形で追突し、ウェバーのクルマが宙返りをしながら空中に舞うという非常に危険な状態になっていた。
スペインのスポーツ紙『AS』は、特に可変ウイングについての問題点が指摘されており、チーム関係者も加わって何らかのルール変更を行う可能性もあると伝えた。実際、すでにドライバー、各チームの技術首脳陣、統括団体FIA(国際自動車連盟)のレースディレクターであるチャーリー・ホワイティングが、この問題について話し合っている。