2011年のF1開幕戦では思わぬ苦戦を強いられたフェラーリ。第2戦マレーシアGPで巻き返すため、予選パフォーマンスの向上に取り組んでいるようだ。
開幕前のテストでフェラーリは、群を抜く信頼性を発揮したほか、決勝レースのように安定して速いペースで走る性能が非常に高いとされていた。そのため、今季の序盤戦は、レッドブルとフェラーリが中心的な存在になると意見が大勢を占めている状態で開幕を迎えた。
しかし、実際に開幕戦オーストラリアGPが始まると、苦戦が予想されたマクラーレンがレッドブルに次ぐ速さを見せる一方、フェラーリが苦戦。フェラーリ勢は結局、表彰台を獲得することができなかった。
だが、フェラーリの副テクニカルディレクターを努めているパット・フライによると、同チームは決勝でのペースに満足しており、改善すべきなのは予選のパフォーマンスだと考えているようだ。マレーシアGPへ向けたチームの公式プレビューで、フライは次のように話している。
「オーストラリアでの開幕戦後、われわれはメルボルン(オーストラリアGP開催地)で集めたデータを分析することに多くの時間を費やした。ひとつ確かなのは、予選でのペースよりも、レースでのペースのほうがよかったことだ」
「これは、われわれのクルマがどのようにタイヤを使っているかという点によるところも大きい。それなので分析では、レース中のロングランでのパフォーマンスと比較し、1周アタックのパフォーマンスを解析することに集中した」
フライはさらに、この分析結果を反映させた新パーツが、早くもマレーシアGPに投入されると続けた。また、2週連続開催となるマレーシアGPと中国GPの間にも、新パーツが届く予定になっているという。
「メルボルンでの予選と決勝のデータを分析し、すでにマレーシアに向けた改良の予定もできている。これらは、当初から予定されていた慌ただしいテストプログラムへすでに組み込まれた。このレースに向けては、以前から空力面の改良を予定していたんだがね」
「しかし、それに加えて、テストするパーツが3つか4つ増えることになり、マレーシアGPと中国GPの間にある数日間で、さらなる新パーツが届く予定だ。まさに、シーズンを通じた継続的な開発だよ」