メルセデスのモータースポーツ責任者であるノルベルト・ハウグは、ドライバーがよそのチームへ移籍したいと願えば、とどめておくことは無意味だと語っている。
ハウグは、「鳥が渡っていくのは止められないだろう?」と述べた。
このコメントは、メルセデスが保有するF1チーム、メルセデスGPに所属するニコ・ロズベルグが、レッドブルあるいはフェラーリへと移籍するという憶測がある中、残されたものだ。
しかし、ハウグは「現段階では、われわれのドライバーの1人がチームを去るという証拠は、どこにもない」と話している。さらにハウグは、ドライバーの移籍はF1の一部に過ぎないとも語った。
「基本的に、われわれが将来のドライバー候補を探すことも、ドライバーが移籍先候補を探すことも、完全に正当なものであり、このビジネスの一部だよ」とハウグは加えた。
ロズベルグがメルセデスGPを離れた場合、ポール・ディ・レスタ(フォース・インディア)のための空席が生まれることになる。ディ・レスタは、昨年までメルセデスからDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)に参戦し、2010年にはタイトルを獲得。そして、2011年にはメルセデスエンジンを使用するフォース・インディアでF1デビューを飾り、メルセデスとの関係は深い。
ディ・レスタと同郷(スコットランド)の元F1ドライバーであるデビッド・クルサードは、『Telegraph(テレグラフ)』の自身のコラムに、「(ディ・レスタと)メルセデスとの関係は単なる根拠のない憶測ではない」と書き、さらに次のように加えている。
「ポールは素晴らしい形でF1キャリアをスタートさせた。もう立派なF1ドライバーって感じだね」
しかしロズベルグ本人は、すぐにでもシートを譲るという見方を一蹴した。
ロズベルグは、自身の母国ドイツの『Express(エクスプレス)』紙に、「うわさについては何も話したくない。今は、チームと進歩していくことだけに集中しているんだ」と語っている。