F1で、アクセルを踏んでいないときなどにも排気ガスをディフューザーへ流し、ディフューザーの効率を向上させるシステムが規制されることになった。
F1では、排気ガスをディフューザーへ流すことによって、クルマを下へ押し付けるダウンフォースをより効率よく発生させる「ブロウンディフューザー」の導入が進んでいる。
しかし、ブロウンディフューザーは排気ガスを利用していることから、アクセルを緩めたときや、ブレーキングなどでアクセルを踏んでいないときには、排気ガスが少なくなり、ダウンフォースの発生量も減ってしまう。また、アクセルのオン・オフによってダウンフォースの発生量が安定しないという問題もあった。
これを回避するため、各チームとも排気システムのレイアウトや、エンジンの設定を変えることにより、アクセルを踏んでいないときにも、アクセルを踏んできるときと同程度の排気ガスをディフューザーに流すシステムを開発。レッドブル、マクラーレン、フェラーリ、ロータス・ルノーGPなどがこのシステムを実用化させているとみられる。
しかし、F1の統括団体FIA(国際自動車連盟)は、ドライバーの操作によってエンジンが空力的な効果を発生させていると判断。これは、ルールで認められていないことから、こういったシステムを規制することに決めた。
今回のルール変更により、ブレーキング時やアクセルを全開にしていないときには、アクセル全開時の10%以上の排気ガスを排出することが禁止となった。
当初は今週末のスペインGPからこのルール変更が適用されるとのうわさもあったが、少なくともカナダGP(6月12日決勝)までは今回のルール変更が適用されないことになっている。
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』や『Speedweek(スピードウィーク)』によると、6月16日(木)にFIAの技術部門を率いるチャーリー・ホワイティングや各チームの代表者が出席した会議が行われ、この場でルール変更について話し合われるようだ。