2011年F1第5戦スペインGPが5月22日(日)、カタルーニャ・サーキット(1周/4.655km)で3日目を迎え、現地時間14時(日本時間21時)から決勝が行われ、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)が優勝した。
レーススタート時の天候は晴れ、気温27℃、路面温度は32℃。スタートでは、今回が母国レースになるフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が、4番グリッドから素晴らしいスタートを決め、1コーナーでトップに浮上。2番グリッドのセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が2番手、ポールポジションのマーク・ウェバー(レッドブル)は3番手に後退した。
アロンソがトップに浮上したことで、観客が大歓声をあげる中、小林可夢偉(ザウバー)が1周目終了時に緊急ピットイン。接触などがあったのか、可夢偉は左リアタイヤをパンクしていた。
トップに立ったアロンソだが、後続のクルマを引き離すことはできず、4番手ルイス・ハミルトン(マクラーレン)までが1つの隊列で走行する展開に。そして、9周目終了時にベッテルが1回目のピットストップ。次の周にはアロンソとウェバーもピットへ、さらにその翌周にはハミルトンがピットへ戻った。
14周目終了時、1回目のピットストップを遅らせていたジェンソン・バトン(マクラーレン)がピットへ。これで上位5台が1回目のピットストップを終えた。この時点でトップはアロンソ、2番手ベッテル、ハミルトンが3番手に浮上、ウェバーは4番手に後退、5番手はバトンとなっている。
18周目終了時に2番手のベッテルがピットへ。ベッテルは前に誰もいない状態でピットアウトしたため、アロンソの前に出ることを狙ってセクター2、セクター3で最速タイムを記録。アロンソとウェバーもベッテルに反応して翌周にピットインしたが、アロンソはベッテルに先行されてしまう。
ハミルトンはピットへ戻らず、トップに浮上したが、ベッテルがハミルトンよりも1周につき1秒以上速いペースで走行。一気にハミルトンとベッテルのタイム差は縮まっていった。そして、23周目終了時にハミルトンがピットへ。ハミルトンはアロンソの前、2番手でコースへ戻った。
トップの4台が2回目のピットストップを終えた時点で、トップはベッテル、2番手ハミルトン、3番手アロンソ、4番手ウェバー。5番手のバトンはピットストップのタイミングを遅らせている。また、アロンソはなかなかペースが上がらず、ハミルトンとの差が徐々に広がっていった。
29周目終了時にアロンソとウェバーが3回目のピットへ。ピットアウト時に両者は接触しそうになるものの、何とかアロンソがウェバーの前でコースへ戻った。その翌周にはバトンが2回目のピットイン。バトンはピットイン前と同じ5番手でコースへ復帰した。
ピットレーンで激しいバトルを見せたアロンソとウェバーは、コース上でも接戦のバトルを展開。DRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)が導入された今年は、これまでレース中の追い抜きが少なかったスペインGPでも追い抜きが増えるのではないかと言われていた。しかし、ウェバーはDRSを使ってもなかなかアロンソを抜けずにいる。
34周目終了時にベッテルが3回目のピットストップ。次の周にはハミルトンも3回目のピットストップを行った。36周目、5番手バトンがアロンソとウェバーに追いつき、1周のうちに2台を抜き去って3番手に浮上した。アロンソとウェバーはハード側のタイヤ、バトンはソフト側のタイヤを装着している。
39周目終了時にアロンソがピットへ。4回目のタイヤ交換を行い、5番手でコースへ戻った。レッドブルはベッテルに対し、KERS(運動エネルギー回生システム)を使わないよう指示。これが影響しているのか、ベッテルとハミルトンの差が縮まってきた。
47周目終了時にウェバーが4回目のピットストップ。次の周にはベッテルが4回目、バトンが3回目のタイヤ交換を行った。これでトップに立ったハミルトンは49周目終了時にピットへ。ハミルトンはピットストップでベッテルを抜けなかったが、ピットアウト時の差は約2秒になっている。
その後、ベッテルは再びKERSを使えるようになったが、53周目終了時にベッテルとハミルトンの差は1秒にまで縮まった。また、一時は最下位にまで沈んだ可夢偉が怒とうの追い上げを見せており、53周目終了時には11番手まで浮上した。そして61周目、10番手のフェリペ・マッサ(フェラーリ)がコース脇にクルマをとめたため、可夢偉が10番手に浮上している。
ハミルトンはDRSを1秒以内までベッテルに迫ったものの、抜くことはできず。ベッテルが今季4勝目を記録することとなった。また、可夢偉は10位入賞を果たし、第2戦マレーシアGPから4戦連続となるポイント獲得を果たした。
・【結果表】F1スペインGP決勝、各ドライバーの順位、タイム差など
・F1スペインGP終了後ランキング