F1 モナコGPレースレポート

2011年05月30日(月)

2011年F1第6戦モナコGPが5月29日(日)、モンテカルロ市街地サーキット(1周/3.340km)で3日目を迎え、現地時間14時(日本時間21時)から決勝が行われ、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)が優勝した。

決勝スタート時の天候は晴れ、気温22℃、路面温度42℃。スタート直前、フォーメーションラップ中に2番グリッドのジェンソン・バトン(マクラーレン)がチームへトラブルを報告。「理由は分からないけど、ステアリングがものすごく重い」とバトンは無線でチームへ伝えた。

レースがスタートすると、大きな混乱はなかったものの、4番手スタートのフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)がマーク・ウェバー(レッドブル)を抜いて3番手に浮上。また、ポールポジションからスタートしたセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が、スタート直後からバトンとの差を広げていき、5周目が終了した段階では4.6秒差になった。

11周目、10番手ルイス・ハミルトン(マクラーレン)が、ミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)を1コーナーで抜いて9番手に浮上。シューマッハは無線でリアタイヤに苦しんでいると伝えており、12周目にはルーベンス・バリチェロ(ウィリアムズ)がミラボーでシューマッハを抜いていった。この周の終了時にシューマッハはピットへ入り、タイヤとノーズを交換している。

5番手ニコ・ロズベルグ(メルセデスGP)もシューマッハ同様ペースが上がらずに苦戦しており、15周目にフェリペ・マッサ(フェラーリ)、パストール・マルドナード(ウィリアムズ)が次々にロズベルグを抜いていった。

15周目終了時、2番手バトンと7番手に後退したロズベルグがピットへ。次の周にはベッテルもピットへ入ったものの、ベッテルのピット作業は少し時間がかかってしまい、ベッテルはバトンの後ろ、2番手でコースへ復帰。17周終了時にはアロンソもピットへ入り、3番手でコースへ復帰している。

バトンがソフト側のタイヤを装着しているのに対し、ベッテルはハード側のタイヤ。バトンはベッテルよりも1周につき約1秒速いペースで走行し、24周目終了時には両者の差が11.6秒にまで広がった。その後もバトンはベッテルのとの差を広げ、30周目終了時には両者の差が約14秒になった。

32周目終了時にバトンが2回目のタイヤ交換へ。バトンは再びソフト側のタイヤを装着した。また、これと同時に4番手のルーベンス・バリチェロ(ウィリアムズ)もピットへ。これで小林可夢偉(ザウバー)が4番手に浮上した。

33周目、ヘアピンでマッサとハミルトンが接触。その直後、マッサはトンネルでアウト側のガードレールに接触してクラッシュ。これでセーフティカーが導入された。また、シューマッハはトラブルが発生したようで、最終コーナー手前のコース上にクルマを止め、そのままクルマを降りている。その後、ハミルトンにはドライブスルーのペナルティーが科された。

このセーフティカー導入で多くのクルマがピットイン。可夢偉もピットインを済ませ、5番手につけている。なお、トップのベッテルはこのタイミングでピットへ戻っていない。レースは39周目から再開された。

47周目終了時、2番手バトンがピットへ。ピットアウトしたバトンがファステストラップを更新しながらトップを走るベッテルとの差を縮める中、ベッテルはピットへ入らない。ベッテルはソフト側のタイヤでスタートし、ハード側のタイヤに交換したため、2種類のドライタイヤを使用する義務は果たしている。

トップのベッテルが1分19秒台で走行する中、3番手に後退したバトンは1分17秒台で追い上げている。また、2番手アロンソもベッテルより速いペースで走っており、58周目の時点で両者のタイム差は1秒以下になった。この時点でトップのベッテルからバトンまでは7秒になっている。

62周目にはバトンがアロンソの背後に迫り、トップ争いはベッテル、アロンソ、バトンによる3台の戦いとなった。また、可夢偉がミラボーでエイドリアン・スーティル(フォース・インディア)を接触しながら抜いて4番手に。

69周目、パンクしたスーティルをよけるため、後続のクルマが大混乱の状態に。その中で複数のクルマがクラッシュし、セーフティカーが導入された。しかし、ビタリー・ペトロフ(ロータス・ルノーGP)のクルマに救急車が横付けされる状態になっており、赤旗が出されてレースは中断に。その後、ペトロフは救急車で搬送され、セーフティカーが先導する形でレースが再開された。

レースは73周目からセーフティカー先導で再開。セーフティカーはすぐにピットレーンへ戻り、残り5周の戦いとなった。しかし、1コーナーで6番手マルドナードと7番手ハミルトンが接触。しかし、これでセーフティカーが導入されることはなった。

その一方、残り2周の時点で、ウェバーがシケインで可夢偉に仕掛ける。ここで可夢偉はシケインをショートカットしてしまったため、ウェバーに順位を譲って5位に後退。その後、ハミルトンが可夢偉の背後に迫っていたが、可夢偉はハミルトンを抑えきってゴール。モナコGPでの日本人最高位となる5位入賞を果たし、自己最高位も更新となった。

トップでは、ベッテルがトップの座を守りきり、モナコGPを初制覇。第6戦にして早くも5勝目を記録している。

【結果】モナコGP決勝、各ドライバーのタイム、タイム差など
モナコGP終了後ランキング

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