先日のカナダGPで久々に覇気のある走りを見せたミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)。カナダGP前には、すぐに引退すべきだとの意見も出ていたが、シューマッハ本人は「近いうちに」将来を決めるとコメントした。
2006年にF1を引退後、2010年から現役に復帰したものの、これまで7度F1チャンピオンに輝いたかつてのような走りを見せられなかったシューマッハだが、カナダGPでは復帰後初となる表彰台まであと一歩に迫る4位となった。これを受けて、メルセデスのモータースポーツ責任者ノルベルト・ハウグは、『Tuttosport(トゥットスポルト)』へこうコメントした。
「これこそスポーツだ。すぐに状況は変わるものだよ」
「もしいいクルマさえ手にできれば、今でもいい走りをできると彼は証明した」
また、カナダGP中には、シューマッハが来年いっぱいで満了となる契約を、2年間延長するとのうわさも駆けめぐっていた。しかしこれは、シューマッハのコメントが間違って解釈されたことが原因であるようだ。
シューマッハは、メルセデスGPが基礎的なことに取り組んできた成果が出るのは、2013年以降になるだろうとコメント。このシューマッハの発言が、契約延長を示唆したと取られてしまっていたという。
「その憶測については聞いたよ。僕のコメントに対する解釈の問題だね。まずは(2010年からの)3年契約をきちんと終えるつもりだし、将来についても、成績に基づいて近いうちに決断する」とシューマッハはコメント。さらに『L’Equipe(レキップ)』は、次のようなシューマッハの発言を掲載した。
「僕はそういった意味(契約延長)で言ったんじゃない。適切な時期が来たら、将来について話すよ」
かつて、ドライバー部門のタイトルを5回、チーム部門のタイトルを6回シューマッハと共に獲得したフェラーリのルカ・ディ・モンテゼモーロ会長は、表彰台目前にまで迫ったシューマッハの走りについて、『Sky Sports 24(スカイ・スポーツ24)』へこのように述べている。
「彼がこの結果を残すまで1年半もかかったことに驚きを隠せない」
「彼が上位で走っているのを見て、私もうれしかったし、彼がわれわれに与えてくれた大きなものを忘れてはいけない」