小林可夢偉「すべてうまく回らない1週間だった」

2011年06月30日(木)

今季のF1で初めてトップ10入りを逃したヨーロッパGPを振り返り、小林可夢偉(ザウバー)は「すべてうまく回らない1週間」だったと語っている。

自身の公式ウェブサイトに掲載したレースレポートの中で、バレンシアで開催されたヨーロッパGPでは、「温度」がカギになることを予想していたと可夢偉は語る。

「先月末にモナコから、前回のカナダ、そして今回のバレンシア。僕たちとしてはあまり得意じゃないコースが続いていたんですけど、とにかく温度が勝負になると思ってたんです」

「高くなる温度をなんとかうまく利用できればポイントは大丈夫だろうと思っていたんですけど、想像していた以上に厳しかったですね。まあ苦手な3レースのうちふたつで入賞したから良かったかなと思ったほうがいいんでしょうけど」

「バレンシアでは初めてミディアムタイヤ(ヨーロッパGPではハード側タイヤ)がレースに投入されるので、まずはどれだけそのミディアムが動くのかがポイントだと思ってました。それに去年のレースが出来すぎだっただけに、終わってみたら面白くないレースだったなと言われないようにと思ってたんですけど。残念でした。結局最後まで流れがこなくて、そういう状態だとレースもうまいこといかなかったですね」

グランプリ初日の24日(金)は予想外に気温が低かった。このため予選では苦戦することも予想されたが、翌日に行われた予選からは気温も上昇。しかし、可夢偉はタイヤに苦戦してしまう。

「気温が上がれば良くなると思ってたけどあまりよくなかったので、コースとクルマがかみ合ってないのかなとも思う。ただ、とにかく何をしてもタイヤがグリップする前にオーバーヒートして終わってしまった。トップ10入りは遠かったし、もしかしたら12番手くらいにはなれたかもしれないけれど、それが精一杯だったと思う。それぐらい今回は厳しかったですね」

そして迎えた決勝では、1回目のピットストップでハード側のタイヤを装着し、可夢偉はまわりのドライバーと戦略を変えた。しかし、このハード側タイヤでペースが上がらず、これが原因となって入賞を逃すこととなった。

「決勝は予選よりも暑くて、少しは有利になるかなと思ったんですけど、そうはいかなかったですね。まずオプション(ソフト側タイヤ)でスタートして、第2スティントでプライム(ハード側タイヤ)、そしてその後新品のオプションという2ストップ戦略でした。今回はとにかく周りに常に誰かがいて、タイヤを労(いたわ)るという状態ではなかった」

「ただ、プライムを真ん中に履いて周りとリズムを崩せたところはよかったんじゃないかなとは思いますが、とにかくペースが遅すぎた。あれではどうしようもないですね。とにかく今回は、タイミングもペースも運も全部悪かった。すべてうまく回らない1週間で、とにかく長いレースでした」

この戦略については、チーム側も判断ミスだったと認めている。しかし可夢偉は、今回の失敗を糧にして、次につなげたいと前向きなコメントを残した。

「次のシルバーストン(イギリスGP/7月10日決勝)はコースとの相性を考えると少しはよくなると思うんですけど、しっかり何が悪かったか見直して、たとえばペースが不十分だったという課題を次回に向けて調整できればなと思います」

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