2011年F1第9戦イギリスGPフリー走行1回目が、7月8日(金)の現地時間9時(日本時間17時)から90分間、シルバーストン・サーキット(1周/5.891km)で行われ、マーク・ウェバー(レッドブル)がトップになった。小林可夢偉(ザウバー)は、クラッシュしたものの、18番手でセッションを終えている。
セッション開始時の天候は曇り、気温14℃、路面温度は15℃。直前まで降っていた雨の影響で、路面がぬれた状態でセッションがスタート。コースではところどころ高く水しぶきが上がっており、各車とも雨用のタイヤを装着してシステムチェックなどのためのインストレーションチェックを行った。
開始約15分、ジェローム・ダンブロシオ(ヴァージン)が、全ドライバー中最初のタイム計測を実施。タイムは2分3秒001だった。ほかのドライバーもコースには出るものの、タイムは計測せずにピットへ戻っている。
開始約20分、ニコ・ロズベルグ(メルセデスGP)が1回目のタイム計測。路面の水量が少ないとき用のインターミディエイトを装着し、1分51秒590を記録してピットへ戻った。ほかにも複数のドライバーがタイム計測を行ったが、ロズベルグのタイムを上回るドライバーはいない状態だ。
開始約25分、マーク・ウェバー(レッドブル)が1分50秒032を記録してトップに。タイヤはインターミディエイトを装着している。また、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)がスピンしていたが、クルマを壊すことはなく、そのまま走行を再開した。
開始約30分、ジェンソン・バトン(マクラーレン)がトップタイムを更新。タイムは1分49秒651だった。また、今回ヒスパニア・レーシングからデビューすることになったダニエル・リチャルドもタイム計測を開始している。リチャルドは、周回を重ねるごとにタイムを更新している状態だ。
開始35分、ルイス・ハミルトン(マクラーレン)がバトンのタイムを更新してトップに。ハミルトンのタイムは1分49秒577。しかしその直後、バトンがさらにタイムを更新。1分49秒203を記録したバトンが再びトップになった。セバスチャン・ベッテル(レッドブル)も速いペースで走行し、第2セクターでは全体のベストタイムを記録したが、第3セクターで遅れ、2番手になった。ベッテルのタイムは1分49秒390だった。
開始約40分、ベッテルが1分49秒076を記録してトップに。その後、ベッテルはさらにタイムを更新し、1分48秒794までタイムを短縮した。また、この段階で今回がデビューのリチャルドは10周を周回。チームメートのビタントニオ・リウッツィから約コンマ5秒遅れとなる1分56秒445を記録している。
開始約45分、かつては雨で強さを見せ「レインマスター」とも呼ばれていたミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)がトップに。ベッテルのタイムをコンマ4秒上回る1分48秒388を記録した。その後もシューマッハは自身のタイムをさらに更新。最終的にシューマッハは、1分48秒278を記録してピットへ戻った。この段階では、ビタリー・ペトロフ(ロータス・ルノーGP)のみがまだタイム計測を行っていない。
残り約35分、ハミルトンがドライタイヤでコースイン。ハミルトンは一定の速度で走行しており、空力パーツのデータ取りを行っていると思われるが、ストレートでもリアが横滑りするような状態で走行。ハミルトンはDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)も操作しながら走行しているが、コーナーを曲がれずにショートカットする場面もあった。
残り約30分、走行ライン上は路面の水量がかなり少なくなっており、ウェバーが1分48秒185を記録してトップに浮上。しかしその直後、アロンソが1分48秒161を記録してトップになった。また、ペトロフもすでに走行を開始している。だが、このあたりから再び雨が降り始めてしまった。
残り約15分、ホームストレートで小林可夢偉(ザウバー)がクラッシュ。可夢偉は最終コーナーの縁石に乗りすぎてしまい、人工芝でスピンするような形でコントロール不能になり、タイヤバリアに激突した。クルマの右側からタイヤバリアに当たったため、クルマの右側や後部が大きく損傷している。可夢偉に大きなケガはないようだが、クルマを降りた可夢偉は渋い表情をしていた。
残り約10分、すでに雨はやんでおり、走行ライン上が一部乾き始めている状態でウェバーが1分47秒533を記録してトップに。このタイミングではほぼ全車がコースインしており、コース上が非常に混雑している。路面状況が改善していることから、ウェバーはさらにタイムを更新し、1分46秒881を記録した。その後もウェバーはタイム更新を続け、最終的には1分46秒603を記録して、トップでこのセッションを終えた。
セッション終盤にクラッシュした可夢偉のタイムは1分50秒133。可夢偉は18番手になった。
・【結果】イギリスGPフリー走行1回目、各ドライバーのタイム、タイム差など