ピレリのモータース責任者を務めるポール・ヘンベリーは、各グランプリで使用するタイヤコンパウンドの選択にチーム側が影響を及ぼす可能性があるという疑いを一蹴した。
フェラーリはシルバーストン(イギリスGP開催地)で最も硬いハードタイヤが投入されたことに失望の色を隠せなかったが、ベルギーGP(28日決勝)、イタリアGP(9月11日決勝)、そしてシンガポールGP(9月25日決勝)にはもっと軟らかいタイヤを投入。タイヤを温めることに苦戦し、硬めのタイヤで苦しんでいたフェラーリにとっては朗報だ。
ブラジルのジャーナリスト、リビオ・オリッチオは、このタイヤ選択について、スパ(ベルギーGP開催地)やモンツァ(イタリアGP開催地)が高速サーキットとだいう特性を考えると「驚きだ」と語り、「フェラーリにはいいニュース」とも加えている。
しかし、フェラーリのようなチームから圧力を感じるかたずねられると、ヘンベリーは次のように主張している。「いや、それはない。新聞でも読んだが、それ以上のことはなにもないね」
さらに、ヘンベリーはスペインの『AS』に対して、「一般的に特定のチームに有利となるようなコンパウンドはある。だが、それもサーキットや天候によって変わるものだ」と説明している。
2011年のF1でショー的要素を増やし、エンターテインメント性を向上させることについて、ヘンベリーは今シーズンにより多くの追い越しが見られる理由の「70%がタイヤで、残りの30%はDRS(空力抵抗低減システム/可変リアウイング)のおかげ」と答えた。
また、摩耗が激しいタイヤを生産するというF1最高責任者のバーニー・エクレストンからの要請を、ピレリが受け入れたことをヘンベリーはあらためて強調した。
F1は、タイヤの摩耗が激しいことを前向きなこととしてとらえた唯一のスポーツだと言われると、「そりゃあ、いい!」と笑うヘンベリー。さらにこう続ける。
「そうも言えるけど、ある程度までだけだ。われわれは注意深く進み、あまり危険を伴わずにいいショーを見せていく必要があるから」