1992年の開催を最後に20年近くF1レースが開催されていないメキシコだが、このほどそのメキシコでF1復活の動きが出てきていることが明らかとなった。
F1の統括団体であるFIA(国際自動車連盟)のジャン・トッド会長は、先週にメキシコを訪問したが、エルマノス・ロドリゲス・サーキットを視察する前に、メキシコがF1カレンダーに復帰する「可能性がある」と述べたという。
また、世界一の富豪として知られるメキシコの実業家カルロス・スリム・エルの息子であり、やはり実業家として知られるカルロス・スリム・ドミットが通信社『Europa Press(エウロパ・プレス)』のインタビューに対し、「(メキシコGP復活について)検討中である」と語っている。
『Europa Press(エウロパ・プレス)』によれば、カルロス・スリム・エルはザウバー、そしてそのドライバーであるセルジオ・ペレスのスポンサー企業であるテルメックスを支配する人物として知られているが、その息子のスリム・ドミットは10議席からなるFIAの議会メンバーでもある。
そのスリム・ドミットが、FIAではすでにメキシコのエンターテインメント企業であるCIEとともに、メキシコGP復活のために活動をしていると語ったようだ。
現在CIEは、1992年にメキシコ最後のF1レースが行われたメキシコシティのヘルマノス・ロドリゲス・サーキットを運営している。ちなみに、メキシコGP最後の勝者はウィリアムズ・ルノーのナイジェル・マンセルであった。
スリム・ドミットによれば、ヘルマノス・ロドリゲス・サーキットは将来的に開催されるであろうメキシコGPの開催地候補であるとのこと。また、『Europa Press(エウロパ・プレス)』は、F1開催に耐えうる施設に改修するためには「多額の投資」が必要になると見込まれるとも伝えた。
これに対し、スリム・ドミットはメキシコ西部の都市であるグアダラハラでの市街地レースも、もうひとつの選択肢であると述べていた。グアダラハラは、ペレスの出身地でもある。
『Europa Press(エウロパ・プレス)によれば、この件についてCIEからの即答は得られなかったという。