ロータス・ルノーGPがレースドライバーをニック・ハイドフェルドからブルーノ・セナに交代させた背景には、「経済問題」がある。ロータス・ルノーGPのライバルチーム、ザウバーのチーム代表ペーター・ザウバーが語った。
ザウバー代表の発言は、伝説的F1ドライバー、アイルトン・セナのおいであるブルーノ・セナに多額のブラジル系スポンサーがついていることから、ロータス・ルノーGPがドライバーを交代させたと指摘したものだ。
実際に、ロータス・ルノーGPに関しては、今年はじめからその経済状況が思わしくないとのうわさが絶え間なくささやかれている。
ザウバー代表は『Blick(ブリック)』誌へ次のように明かしている。「セナがハイドフェルドと同等のドライビングスキルを示せるとは思えない」
また、ドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』は、ハイドフェルドがレースへの出場機会を奪ったチームに対して法的手段に出ると報じている。本来であればハイドフェルドが出場するはずだった2011年シーズンの残り8戦について、1戦につき26万ユーロ(約2,900万円)の支払いをチームに求めるというものだ。
ハイドフェルドの弁護士を務めるシュテファン・サイツ博士が25日(木)に明かしたところによると、この件はロンドン高等裁判所に申し立てられ、9月11日に決勝が行われるイタリアGP終了直後に審理が予定されている。
「チームがこの状況(セナの昇格)を決めたのは、間違いなく経済的な理由からだ」とサイツ博士は語った。
一方で、ハイドフェルドのマネジャーであるアンドレ・テルツァイトは、9月25日に決勝が行われるシンガポールGPで、ハイドフェルドをレースドライバーに復帰させることを目指していると明かした。
「僕の契約はまだ残っているし、クルマに乗ることを望んでいる」と、ロータス・ルノーGPのチームウエアを着てベルギーGPに姿を見せたハイドフェルドは語る。
スイス紙『Blick(ブリック)』は、ハイドフェルドがベルギーGPに現れたのは、ベルギーGP以降も「クルマに乗る用意があったとの姿勢を見せる」という、法廷で戦うための材料作りだと指摘している。
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌は、次のようなハイドフェルドの発言を掲載している。
「レーシングドライバーはいつだってレースに出たいと望んでいるものだよ。だから、ブルーノに対する怒りは感じていないんだ。ブルーノだって、レースに出たいとずっと思っていたのだからね」