ルノーとのエンジン供給契約を更新したレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーが、いまやレッドブルはルノーのワークスチームであるという考えを述べた。
ワークスチームとは、参加するチームのうち、自動車メーカーが直接参戦する形態のことを指す。近年では、チームも会社として独立した組織になっていることが多く、自動車会社がチームを子会社化することでワークスチームを結成する場合もあるほか、自動車会社と資本提携を結び、密接な関係を築いたチームをワークスチームと呼ぶ場合もある。
ルノーは昨年までルノーF1としてF1を戦ってきたが、チーム株式をジェニイ・キャピタルに売却。これにより、ルノーF1は2011年シーズンからロータス・ルノーGPとしてF1に参戦し、ルノーはチームとしてのF1参戦を終えた。しかし、2011年もエンジン供給は続けていた。
今回ホーナーがあえてレッドブルをルノーのワークスチームと呼ぶのは、今後の協力関係が大きく影響している。
これまでレッドブルはエンジンサプライヤーを変更するのではとの憶測もあったが、2017年までルノーとの供給契約を更新しただけでなく、2014年から新たに採用される1.6リッターV6ターボエンジンも、共同で開発することが明らかになった。
ルノーのF1エンジン供給を担当するルノー・スポールF1社のマネジングディレクター、ジャン・フランソワ・コベは今回の契約について、レッドブルの「意見、技量、これまでの自社での開発経験」を生かすことによって、ルノーがエンジンを供給しているロータス・ルノーGP、チーム・ロータス、ウィリアムズといった「ほかのパートナー」のためにもなるとコメントしていた。
また、ルノー本社の最高執行責任者(COO)のカルロス・タバレスも、レッドブルの意見を取り入れることで「非常に優れたエンジンの空力システム」を開発することができると語った。
このような点をふまえ、ロータス・ルノーGPが今も「ルノー」の名をチーム名につけており、ウィリアムズとルノーの間に歴史的な深いつながりがあるとしても、ルノーのワークスチームという位置づけにふさわしいのはレッドブルであるとホーナーは考えているようだ。
さらにホーナーは、レッドブルのウェブサイト上で次のように自身の見解を明らかにしている。
「ルノーとの協力はわれわれのチームにとってもとても重要だ。この協力関係はわれわれに安定を保証し、われわれがルノー・スポールF1の最も中心的なファクトリーチーム(ワークスチーム)になることを示す。エンジン開発が専門の新たな同僚たちが、これからレッドブルのエンジニアやデザイナーと一緒に働くことになるんだ」
そして、ルノーとレッドブルでジョイント・ベンチャーを立ち上げ、ギアボックスとKERS(運動エネルギー回生システム)の供給に取り組むことも付け加えている。