メルセデスのモータースポーツ責任者ノルベルト・ハウグが、同社の保有するF1チーム、メルセデスGPにはミハエル・シューマッハが必要だと語った。
現在42歳のシューマッハは1991年に鮮烈なF1デビューを飾り、2006年にいったん現役を退くまでの間に7度のF1制覇、通算91勝という前人未到の記録を打ち立てた。昨年メルセデスGPから現役復帰を果たしたシューマッハだが、契約期間は3年間であるため、来年2012年いっぱいで契約満了となる。
同時に2012年は、メルセデスがブラウンGPを買収し、チームとしてのF1参戦を開始してから3年目のシーズンとなる。これまでに表彰台こそ何度か獲得したことはあるが、いまだ優勝には手が届いていないメルセデスGP。特にシューマッハは、復帰の際に大きな期待がかけられていたものの、これまで表彰台に立つこともできていない。
そのため、メルセデスがF1参戦をやめるのではとの憶測もあるが、ハウグはメルセデスがシルバー・アローの別名で知られるカラーリングでのF1参戦を続けると『Eurosport Deutschland(オイロシュポルト・ドイチュラント)』へ語りつつ、成功までには時間がかかると加えた。
「われわれは新しいシルバー・アローのワークスチーム(自動車メーカーがチームとして直接レースに参戦する形態)としてF1参戦を続ける」
「進歩や学習を繰り返すことによって、一歩ずつ上位へ近づいていくことができるだろう。現時点ではレッドブル、マクラーレン、フェラーリの後ろ、トップから4番目の実力だ。しかしそれが3番目、2番目となり、やがては頂点に立てる日も来る」
「その目標は長年にわたる、集中した懸命な作業によってのみ達成することができる。現在ドライバー部門とチーム部門のダブルタイトルを連覇しているレッドブルも、去年の初制覇までには5年の歳月を要した」
そしてハウグは、シューマッハとニコ・ロズベルグという現在のドライバー陣が、メルセデスGPの野望を実現させるのに最適だと話している。
「彼らには完全に満足している。われわれが勝つことのできるパフォーマンスを持ったクルマを造れば、彼らは勝利をもたらしてくれるだろう。ミハエルはチーム全体にモチベーションを与えてくれる存在だ。彼がフェラーリで最初のタイトルを獲得するまでには5年かかった。その時のように彼には計画がある。そして、彼には以前と同じような闘志があり、今でも現役で最高レベルのドライバーだ」