エイドリアン・スーティル、シート喪失は「まだ決まっていない」

2011年10月29日(土)

2012年のラインアップに注目が集まるフォース・インディアだが、放出のうわさが絶えない現レースドライバーのエイドリアン・スーティルが、一連の報道を否定した。

スーティルは前身となるスパイカー時代からフォース・インディアに所属してきた功労者だ。しかし2012年は現在テスト兼リザーブドライバーを務めるニコ・ヒュルケンベルグがレースドライバーに昇格し、スーティルが放出されるという報道が過熱している。

しかし、チーム代表のビジェイ・マリヤは12月中旬まで最終的な決定は下さないと明言している。これに対しスーティルは、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対して次のように主張した。

「ビジェイはまだ何も決まっていないと僕に教えてくれたよ。だから(ヒュルケンベルグ昇格の)報道も間違っている」

「彼(マリヤ)は常に僕に対して誠実に接してくれる。だから彼の言葉を疑う理由なんてないよ」

だが『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、インドの複合企業サハラがチームの共同オーナーとなったことで、スーティルのスポンサー資金に頼る必要がなくなり、スーティルとフォース・インディアとの長年の「蜜月関係」が終わると確信しているようだ。

放出が決定的になった場合、スーティルの移籍先としてはウィリアムズが濃厚だ。チーム・ロータスやヴァージン、HRTも一時候補としてあがっていたようだが、スーティルのマネジャーであるマンフレッド・ジマーマンが選択肢から除外したという。

そのほかにもロータス・ルノーGPは来季のドライバーが決まっていないが、同チームの共同オーナーであるエリック・ルクスとの間に訴訟問題(※)があるためスーティルが移籍する可能性はかなり低い。

しかしウィリアムズへの移籍も簡単には決まらないかもしれない。現レースドライバーの1人、パストール・マルドナードの残留は確実とされており、残る1シートをめぐって、チームメートのルーベンス・バリチェロ、さらにはF1復帰のうわさが絶えない元王者キミ・ライコネンの名前も挙がっている。

『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によれば、ライコネンは現在参戦しているラリーをやめたいと考えているようだ。スポンサーに困ることもなく、現在はF1復帰に向けてトレーニングをしているという。このため、スーティルが望むような「迅速な判断」にはならないだろうと同誌は報じている。

(※)スーティルは、中国GP決勝後、優勝したルイス・ハミルトン(マクラーレン)の記念パーティーにおいて、割れたシャンパングラスでルクスの首を傷つけ、24針をぬう重傷を負わせた。

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