かつてチームメート同士での確執が話題になったフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)とルイス・ハミルトン(マクラーレン)だが、圧倒的な強さで今シーズンを制したセバスチャン・ベッテル(レッドブル)を倒す、という共通の目的のもとに新たな友情が芽生えたようだ。
2007年にマクラーレンへ移籍したアロンソだったが、この年には同チームが幼少時代から育成してきたハミルトンがF1デビュー。そして、ハミルトン中心の待遇をめぐってアロンソがチーム首脳陣と対立し、ハミルトンとの不仲も伝えられていた。その後、アロンソは複数年契約を解除して1年限りでチームを離れた。
しかし先週末に開催されたアブダビGPでは、グランプリ開催前から2人はお互いの才能をほめ合い、ハミルトンが優勝、アロンソが2位を獲得すると、抱き合って喜んだのだ。
イタリアのテレビ『Rai(ライ)』に対してハミルトンは、次のように語っている。
「フェルナンドとのバトルを本当に楽しめたよ。僕は彼が最強のドライバーだと思っているんだ」
しかしアブダビGPでは、ポールポジションからレースをスタートしたベッテルが、突然のタイヤトラブルに見舞われ早々とリタイアした。このリタイアがなければ最終的な順位がどうなっていたかは分からない。
『La Stampa(ラ・スタンパ)』紙の記者ステファノ・マンチーニはこの2人に突然の友情が芽生えたことは疑わしいと述べ、ベッテルという共通の脅威に対する「動機不純な同盟」と名付けている。