フェラーリ、2012年型フロントウイングの振動対策に苦心

2011年11月17日(木)

新しいフロントウイングが激しい振動を起こすことから、フェラーリは今週もまた、その対策に追われている。

レッドブルのウイングに似た形状の同パーツは最近、導入されたばかりだが、フェリペ・マッサのマシンに装着したところ、インドGPと、続くアブダビGPでも激しい振動を起こした。

今週アブダビで行われている若手ドライバーテストでもフェラーリは、テストドライバーのジュール・ビアンキを3日間とも走らせ、数々のプログラムとともに、振動問題の早期解決に取り組んでいる。

ビアンキは、スペインのスポーツ紙『AS』にこう話す。「僕らは今、振動の原因を探っているところだ。(2012年まで)もうテストは行われないので、今がとても重要なんだ」

フロントウイングのたわみは昨年、特に問題視されたが、それでも今から2012年に向けてウイング開発に特化するフェラーリの姿勢は奇異に映りがちだ。

これについてチーム代表のステファノ・ドメニカリは、『Marca(マルカ)』紙へ次のように説明している。「今年は排気の吹きつけやリアディフューザーがマシンの挙動に大きな影響を与えた」

「ところが来年はデザインの自由度が限られる。すなわち、空力はより伝統的なデザインに回帰する。従って、スピードだけではなく全体的なバランスや安定性の観点から来年のフロントウイングは、再び最重要パーツとなるわけだ」

ドメニカリは、今季終了を待たず2012年型フロントウイングの開発を始めたチームの姿勢を、とても喜んでいる。

「おかげで、フェリペのマシンで生じた新ウイングの問題は、2月あたりにようやく分かるのではなく、早々と対策に取り組めるわけだ」

「レッドブルを始めとする他チームも同じような(振動)問題を抱えているが、それも当然のこと。来季の規則を満たす範囲内に収めながらフロントウイングの開発で一歩先んじようと、どこも必死だからね」

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