今週、少なくとも3チームが“ブロウン・ディフューザー”の使用が禁止される来シーズンに向けての準備を進めていたようだ。
ブロウン・ディフューザーとは、F1マシンの後部に装着されている空力パーツのディフューザーに、エンジンから排出される高熱の排気ガスを通過させることでディフューザーの空力効果を上げ、より多くのダウンフォース(空気でクルマを地面に押し付ける力)を発生させるシステム。レッドブルが先鞭(せんべつ)を付けたこのシステムを数チームはレギュレーションに違反していると指摘し、今シーズン中にもその使用の可否をめぐった議論があった。結局2011年シーズンの使用は認められたものの、2012年からは禁止となるシステムだ。
排気ガスをディフューザーに当てることであたかも空力パーツのように使われる可能性をなくすために、2012年は排気ガスを車体後方の上部から排出しなければならない。
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によると、今週アブダビのヤス・マリーナ・サーキットで行われた「若手ドライバーテスト」でウィリアムズ、メルセデスGP、フェラーリといったチームのクルマに来年に向けての試作品が装着されていたようだ。
今回のテストは2012年用のピレリタイヤが初めて導入されたテストでもある。だが、ブロウン・ディフューザーの代替となる空力パーツの開発は今回のテストの重要項目のひとつであった。その作業がなかったら、F1のテストに参加するために気前よく大金を支払う条件を受け入れたドライバーたちによる、静かな3日間のテストになっていたと推測される。