移籍の憶測が流れているエイドリアン・スーティル(フォース・インディア)。しかし、スーティルの移籍が決定すると、チームにとってそれは有能なドライバーを放出するということを意味する。
2011年の年間ポイントランキングで9位を獲得したスーティルは、経験面のみならず母国ドイツのコンピューター企業『メディオン』のサポートも受け、資金面も申し分ないドライバーだといえる。それでも移籍のうわさが途絶えないのは、フォース・インディア側が今年テスト兼リザーブドライバーを務めたニコ・ヒュルケンベルグを昇格させたいからであるとみられている。
しかし、チーム内でのスーティルに対する評価は依然として高い。チーム代表代理であるロバート・フェンリーは、スーティルとチームメートのポール・ディ・レスタの貢献のおかげで、コンストラクター(製造者)部門で6位に入ったことについて尋ねられた際、次のようなコメントを残している。
「ブラジルGPでエイドリアンがニコ・ロズベルグ(メルセデスGP)を上回ったのは素晴らしかったよ。今シーズン、彼がドライバーとしていかに成熟したかよくわかった」
ブラジルGPでのスーティルの走りに称賛を送るのはフェンリーだけではない。「素晴らしい」、「優秀」といった言葉があちらこちらで聞かれた。放出が本当に決まってしまったら、スーティルの次の選択肢はウィリアムズだと憶測されている。スーティルもドイツの雑誌『Focus(フォーカス)』に対して「来年もF1にいるのは100%間違いない」と話し、F1残留の意思を強調している。