かつてはキミ・ライコネンの強力なサポーターだったミカ・ハッキネンだが、ロータス・ルノーGPと来季契約を結び、2年ぶりのF1復帰を決めたライコネンがF1の速度感を取り戻すのに苦労するのではないかと予想している。
10年前にF1を引退したハッキネンが、マクラーレンのチーム代表だったロン・デニスに推薦したのが当時新人のライコネンで、ハッキネンは「勝ちたければ、フィンランド人を獲(と)れ」とデニスに言ったという。
32歳になったライコネンは、2009年にF1を引退後、ラリーとNASCARを楽しんだ2年間に体重が4kg増えており、今は元の体重に戻すべく努力を続けているとされる。
『Bild Sonntag(ビルト・ゾンターク)』紙にハッキネンはこう語っている。
「復帰はキミにとってとても難しいものになるだろう。新しいクルマをテストする時間もない、(クルマに乗れるのは)せいぜい5日か6日だろうね」
「何か問題が起こって1日無駄にすれば、もはや取り戻せない。リズムに乗る時間があればあるほど、どんどん速く走れるから、昔は朝から晩までコックピットに座っていたものだけどね」
2年のブランクを経てF1に復帰するライコネンを助けるため、ロータス・ルノーGPが2009年型車とGP2のタイヤでライコネンを走らせることでテスト禁止ルールの回避を狙っているのもこのためだと思われる。現在のF1では、コスト削減のため実走テストが厳しく制限されるが、旧型車を使うことでこのルールを回避できる。
しかしハッキネンは、2009年仕様のクルマで走ってもまだライコネンの復帰は厳しいものになると予想している。
「ワールドチャンピオンでも何でも、関係ない。F1ではどんどん競争が激しくなっていくんだ」
「ドライバーの体力や、技術理解度の深さは、どんどんレベルが高くなっている。最近のドライバーたちは本当によく働くよね!」
「だから、5年前と比べてみても、キミの復帰はすごく大変だと思う」