ドライバーの自由を容認するロータス・ルノーGP

2011年12月14日(水)

ロータス(現ロータス・ルノーGP)は2011年シーズン前にロバート・クビサがラリー競技で怪我した末、シーズンが始まってもエースドライバー不在を余儀なくされたが、2012年に同チームからF1復帰を果たすキミ・ライコネンまでもが先週末、手首を負傷。しかし、ドライバーの人生に足を踏み入れない姿勢は今後も貫くつもりだ。

今もクビサは、今年のシーズン前に負った怪我から回復していない。その上、契約を交わしたばかりのライコネンも、オーストリアでスノーモービルに乗ってレース中に転倒、手首をねんざしている。

スイス『Blick(ブリック)』紙のベテラン記者ロジェ・ベノワは、このようなルノーの態度を“まるで怠慢もいいところ”だと、一刀両断。「クビサの事故から何も学ばなかったのだろうか」と疑問を投げかけている。

しかし、ライコネンの新しいチームメートであるロメ・グロジャンもフランスでカート競技に参加と報じられる中、ロータスCEO(最高経営責任者)のダニ・バハールは、チームのドライバーを真綿でくるむような扱いはしないと、『Reuters(ロイター通信)』に対して次のように語っている。

「リスクを伴う状況に身を置くのは、チームもドライバーも同じ。私たちは企業として商業的なリスクを負い、キミは自らの人生をリスクにさらしているんだ。キミは、あくまでキミさ。彼の生き方を変えるのは難しいよ」

今季のGP2王者で2012年にライコネンの僚友となるフランス人のグロジャンは、チームスポンサーであるフランスの石油企業『トタル』にとって“天の恵み”のようなものと、代表のエリック・ブーリエは言う。

グロジャンは、スポンサー資金をもつロシア人ドライバーのビタリー・ペトロフに替わるドライバー。2011年シーズン途中からレースに出走したブルーノ・セナもすでにチームを去っている。

「金になびかず敢えて厳しい道を選ぶのは、勇気の要る選択だ。われわれはパフォーマンスを通じて成功を得ようとしている。“金でシートを得る”ドライバーは、もう必要ないよ」と、バハールは語った。

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