F1 バーレーンGP、やはり開催は不可能?

2011年06月08日(水)

今季F1のレーススケジュールに復活したバーレーンGPだが、実際には開催が難しいとの見方がでてきている。

当初バーレーンGPは今季の開幕戦に予定されていたが、国内で大規模な反政府デモが発生したため、レースが延期された。そして、F1の統括団体であるFIAは先週、物流や政情、安全の問題があるにもかかわらず、混乱の渦中にあるバーレーンを今季のレースカレンダーに復帰させることを決定した。

現地の反政府派がレース当日を「憤激の日」とすることを呼びかけるなど、いまだ暴動が続いていると報告されているバーレーンでのレース開催決定について、各チームは話し合うべきだと主張している。

FIA会長のジャン・トッドは6日(月)、バーレーンでのレースは開催が危ぶまれることをメディアに認めた。

「もし危険な状況にあるという明確な証拠が示されれば、当然、再考されるべきだろう」とトッドは『BBC』の取材に答えている。

また、当初バーレーンのレースカレンダー復活を支援していたF1最高責任者のバーニー・エクレストンも、煮え切らない。

FIA副会長のカルロス・ガルシアがバーレーンを訪問して状況報告をまとめているが、エクレストンはバーレーンの現状について確信が持てていないようで、『Times(タイムズ)』が次のようなエクレストンのコメントを伝えている。

「バーレーンはシーズンの最後にもってくるほうがいいだろう。もし安全で何も問題ないということになればいいし、そうしたら進めればいい。もしそうならなければ、われわれは行かないし、それで問題はない」

「バーレーンでは何も問題がないというFIAからの報告を聞いたよ。しかし、それは今私が耳にしていることとは違うから、われわれとしても注意しなくてはならないと思っている」

また『Telegraph(テレグラフ)』紙は、エクレストンがすでに全12チームに対し、FIAのモータースポーツ関連の意志決定機関である世界モータースポーツ評議会へ不安点や要望事項を表明し、新たな採決を求めるよう通知したとも伝えている。

もうひとつの問題になりそうなのは、世界評議会が満場一致でバーレーンのカレンダー復帰を決議したとFIAは発表したものの、どうやらこれはその通りではなかったということだ。

正式な採決が行われたのではなく、投票は挙手によるもので、ステファノ・ドメニカリ(フェラーリ/チーム代表)とビジェイ・マリヤ(フォース・インディア/チーム代表)はこれに応じなかったという報道もあるようだ。

レーススケジュールの修正には全員の正式な賛成が必要であるはずだが、これがその通りに実施されたのかと質問されたトッドは「はっきりしたことは言えない」と答え、さらに続けた。

「挙手の数は25だったか、27だったかな? 私には全員の手が挙げられたと見えたので、『あぁ、全員一致だ』と思い、そう宣言したんだ。そして誰もそれに反対しなかった。誰からも自分は手を挙げなかったとか、反対票を投ずる、という意見はなかったよ」

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