ミハエル・シューマッハの苦戦を悲しむF1ボス

2011年08月19日(金)

F1の商業面の運営を取り仕切るバーニ―・エクレストンが、F1史上最も偉大な成功を収めてきたミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)がトップ10入りを争う姿を見るのは悲しいと認めた。

かつて7度にわたって王者に君臨し、2006年シーズンで現役を退いたシューマッハが昨年に現役復帰を果たす際、エクレストンも強力なサポーターとなってシューマッハの復帰を支持した。しかし、イタリアの有力紙『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に対し、現在シューマッハが所属しているメルセデスGPはもっと上位へ行けるはずだとエクレストンは語った。

「ミハエルは本当に超人的な人物だ。だから彼があのような低い順位で争っているのを見るのはつらい。彼は今でも競争力のあるドライバーだ。そして彼ほどの経験値があるならば、チームを正しい方向へと導いていくべきだよ。メルセデスGPももっとシューマッハのドライビングスタイルに合ったクルマを造るべきだね」とエクレストンはフィンランドの『Turun Salomat(トゥルン・サロマ)』紙にコメントしている。

一方、シューマッハ本人はドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』へ、今一番の問題は予選であると語った。

「その通りだ。レース内容の方が予選よりも良い傾向にあるね。説明するのは難しいけど、予選がどうもうまくいかない理由は沢山ある。それに、いくつかの技術的な問題も抱えている。でも、ニコ(ロズベルグ/チームメート)の予選での走りは間違いなく現役F1ドライバーの中ではトップクラスだね。彼のパフォーマンスには本当に感心するよ」

1991年のベルギーGPでF1デビューを果たして以来、最初の引退を迎える2006年までの間に実に91勝という記録を打ち立てた「第一期」のころからシューマッハを見守ってきた関係者の中には、最近のシューマッハが見せる、現場でのリラックスした雰囲気に驚かされた者もいる。そしてそれも不調の原因ではないかという意見もあったが、シューマッハはそれを否定した。

苦戦した予選セッションの後にも頻繁に笑顔を見せているように思われるが、「それはほんの一瞬のことで、マシンの調子や予選の結果などとは何の関係もない」とシューマッハは説明し、こう加えた。

「僕は失敗や挫折感で落ち込んでいるわけではない。そして、そんなことで僕たちのゴールへ向けての挑戦が止まったりすることはないよ。僕はメルセデスGPが再び勝利を手にし、世界タイトルを巡って争うことができると信じている」

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