セバスチャン・ベッテル「レースは最高だったけど、複雑な気持ち」

2011年10月31日(月)

レッドブルのセバスチャン・ベッテルは、ブッダ・インターナショナル・サーキットで行われたインドGP決勝で、ポールポジションからスタートし、1位となった。

セバスチャン・ベッテル
「僕たちにとってはとてもいいレースだったし、楽しめたよ。距離は開いていたけど、ジェンソン(ジェンソン・バトン/マクラーレン)とのちょっとしたバトルもあった。彼はいつも4秒くらい後方にいたんだけど、不思議なことにタイヤ交換のタイミングが近づいてくると差を縮めて来たんだ。ピットに入る周回はできる限り攻めたけど、どうもそこで少しタイムをロスしていたみたい。それについては理解する必要があるね」

「このサーキットではタイヤをコントロールすることがとても重要だった。そしてレース終盤にタイヤに十分な余裕を持たせておく必要があったけど、とてもスムーズなレース内容だったね。クルマのバランスはとても良かったし今日のレースは最高だった。チームのみんなと、今シーズン素晴らしい仕事をしてくれている(エンジンサプライヤーの)ルノーにありがとうと言いたい」

「でも、今日は複雑な気持ちだ。僕はダン・ウェルドン(10月16日のインディカーのレース中に事故死)のことは知らなかったけど、彼はモータースポーツの世界では大きな存在だった。マルコ・シモンチェリ(10月23日のMotoGPレース中に事故死)は今年になってから知り合ったんだ」

「今この瞬間も僕たちの想(おも)いは彼らの家族と共にある。僕たちには、リスクを冒す覚悟があるよ。でも、もちろん何も事故が起こらないことを願っている。時々、今回のようにモータースポーツの危険性を痛感させられることもあるけど、その度にそれが最後になることを望んでいるよ」

「インドはとても印象的な国だね。僕たちが知っているヨーロッパとはずいぶん違うけど、すごく刺激を受けるんだ。色んな事を見たり聞いたりしていると、この国の人々が、どう物事へ対処するのかを知ることができ、そこから多くのことを学べるよ」

「とても大きな国でたくさんの人々が住んでいるけど、彼らは幸せそうだし、人生を楽しんでいるようだ。なにごともそれが大事なんだよね。人生の最後の瞬間、胸の中にあるものはきっと、銀行口座にいくらお金があるかなんかじゃなくて、大切な友情やさまざまな気持ちや想(おも)いだ」

「だから、この国の人々は、物質的に多くのものを持っていないかもしれないけど、彼らはある意味、僕たちよりもはるかに豊かで、そこから学ぶべきことは多いよ。最高のサーキットで、最高のイベントであり、素晴らしいレースだった。インドの多くの人々にお礼を言いたい」

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