2012年にテキサス州オースティンでの初開催が予定されているアメリカGPだが、このほどF1最高権威者であるバーニー・エクレストンが、同グランプリが来年度のスケジュールから消えるのは確実だと語った。
テキサス州からの資金調達が危ぶまれ、すでにサーキット建設も中止されているが、アメリカGP開催を難しくしている最も大きな理由は、もともとのレース開催契約を有しているタボ・ヘルムンド(プロモーター)と、サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(アメリカGP開催のために組織されたプロジェクト)を構成する別会社との間に生じた不調和であるとみられている。
こうした行き詰まりを受け、12月に実施される予定となっているFIA(F1を統括する国際自動車連盟)の世界モータースポーツ評議会においてオースティンで予定されているアメリカGPが来年度のレースカレンダーから削除される可能性があるか、と問われたエクレストンは『Press Association(プレス・アソシエーション)』に「ああ、そうなるだろう。間違いない」と答えている。
「われわれはこのレースの実現に向けて、全てのことを非常にうまくやってきていた」と言うエクレストンだが、その説明によれば、ヘルムンドとの間の契約についてはヘルムンド側の契約違反によって解約したため、サーキット・オブ・ジ・アメリカズ側は単純にヘルムンドの契約移譲についての交渉を行うことができないのだという。
「これら他の人たち(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)は契約を有していない。彼らに依頼したのは、われわれのために信用状を取り付けて欲しいということだけなんだ」
「もし資金がなければ信用状を得るのは難しいだろうし、そうであればわれわれは契約を行うことはない」
さらにエクレストンは『Independent(インデペンデント)』に対し、もしサーキット・オブ・ジ・アメリカズがこれらをうまく取りまとめることができれば、2013年から10年間に及ぶ新しい契約を締結することもできると語っている。
しかし、『Daily Express(デイリー・エクスプレス)』には、「もしそれが実現したら驚くだろうね」とのエクレストンのコメントも掲載されている。
地元紙の『Austin American Statesman(オースティン・アメリカン・ステーツマン)』が伝えたところによれば、この16日(水)にはオースティンのサーキット建設予定地からすでに重機だけでなく簡易トイレまでが撤去されたという。