グループ・ロータスの親会社プロトンは、今も法廷外でロータスの名称問題を決着することに前向きだが、チーム・ロータスのチーム代表トニー・フェルナンデスが提示した和解金額を支払うつもりはないようだ。
フェルナンデスは昨年、グループ・ロータスから許可を受け、ロータス・レーシングとしてF1に参戦した。しかし、グループ・ロータスが今季からルノーF1と提携し、ロータス・ルノーGPとしてF1に参戦することから、フェルナンデスへの名称の使用許可は取り下げられた。
そこでフェルナンデスは、グループ・ロータスが管理していなかったチーム・ロータスの名称権を獲得。2011年のF1にはチーム・ロータスとしてエントリーした。
チーム・ロータスの運営会社1マレーシアの共同オーナーでもあるフェルナンデスは最近、この問題の和解金として1,000万ドル(約8億3,000万円)以下の金額を提示されたと明かしている。
しかし、この問題の和解はいまだ成立しておらず、チーム・ロータスが今季はルノーエンジンを搭載することから、ロータスの名を冠し、ルノーエンジンを搭載するチームが2チーム存在する状態で開幕を迎える可能性が高い。シーズン開幕後、3月21日(月)にイギリスの法廷でこの問題の審理が行われる予定だ。
だがプロトンは、フェルナンデスが3,500万ドル(約29億1,000万円)か6,000万ドル(約49億9,000万円)の和解金を提示してきたことを17日(木)に書面で発表した。
発表によれば、1マレーシアはチーム・ロータスの名を売却する代金を求めているだけではなく、新たなブランドを構築させたことや、グッズ販売とスポンサー面での収入減などの要素についても支払いを求めているそうだ。
プロトンは名称に対してのみ代金を払うつもりだと話している。
「趣旨や目的を考えても、1マレーシアは現在自分たちが抱える問題の埋め合わせを求めている」マレーシアの自動車メーカーであるプロトンはそう主張している。
さらに、もし「妥当かつ正当な提案」が提示されれば、法廷闘争の回避はまだ可能だとプロトンはつづっている。