F1での「ロータス」という名称をめぐる2チームによる争いに判決が下った。しかし、しばらくはロータスの名を冠するチームが2つ存在することになりそうだ。
航空会社エアアジアのトニー・フェルナンデスCEO率いるレーシングチームは昨年、F1への参戦を開始したが、イギリスのスポーツカーメーカーであるグループ・ロータスと提携し、ロータス・レーシングとしてF1を戦っていた。
しかし、その後にグループ・ロータスとフェルナンデス側の関係が悪化。グループ・ロータスはフェルナンデスに認めていた「ロータス」の名称使用許可を取り下げ、2011年からはルノーチームと提携し、ロータス・ルノーGPとして参戦することを発表した。
だが、フェルナンデス側もロータスの名をあきらめておらず、グループ・ロータスの管理外にあった「チーム・ロータス」の名称権を獲得し、今季からはチーム・ロータスとしてF1に参戦。また、今季からフェルナンデスのチームがルノーエンジンを搭載していることから、F1にはロータスの名を冠し、ルノーエンジンを搭載するチームが2チーム存在するという、非常に紛らわしい状態が続いている。
そもそも、チーム・ロータスとはかつてロータスがF1に参戦していたときのチーム名だが、チームが解散する際、名称権が1976年のF1チャンピオンであるジェームス・ハントの弟、デビッド・ハントへ売却されていた。フェルナンデス側は、ハントからチーム・ロータスの名称権を取得し、チーム・ロータスというチーム名を使用している。
この問題はイギリスの法廷に持ち込まれていたが、27日(金)に法廷は、フェルナンデスにチーム・ロータスの名称使用継続を認める判決を下した。
しかし、グループ・ロータス側はこの判決に対し、上訴の意志を示していることから、この問題が完全に解決するには、もうしばらく時間がかかりそうだ。